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パチンコ「事件解決=大当り」の見事なフローで活躍…初代『火曜サスペンス劇場』を振り返る

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原作の世界観を忠実にパチンコへ落とし込んだ傑作『CR火曜サスペンス劇場』

 タイアップコンテンツを選ぶ際、当然「パチンコ化のしやすさ」を考えると思うんです。例えば「バトル」とかが一般的ですが、「勝ち負け」のようなわかりやすい対立構造を作り出せるコンテンツの内容だと落とし込みやすいはず。

 悪と正義、敵味方、好き嫌い。コンテンツのなかにあるこういった部分要素を抽出してリーチ演出にする。その意味で「成功失敗」を当りハズレに置き換えたミッション系の演出はパチンコに適さないと思われる版権でもなんとか演出を成立させられる大発明ではないでしょうか。

こ のミッション系の解釈を広げ、さらなるエンターテイメントに昇華させたのが『CR火曜サスペンス劇場』です。事件発生(=リーチ)から物語が始まり、事件究明(=SP発展やチャンスアップ)の過程を経て事件が解決(=大当り)。こんな見事なフローがありますか。

 極めつけは「崖演出」。崖ゾーンに崖リーチ、火サスのクライマックスシーンでおなじみとなっている断崖絶壁をセルフパロディのようにこすりまくる抜群のセンス。最高です。続編では壁役物も搭載されましたね。

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 センスといえば、プレミアム演出にも工夫が凝らされていました。NG集やドッキリのような通常のドラマにないコミカルな演出が全77パターンと多彩。打ち手を楽しませてくれるという意味では発生すれば16ラウンド約2000発当りが約束されるところも粋な計らいでした。

 個人的にはプレミアム演出として「お前が歌うんかい!」のパロディー演出も入れてほしかったですね。権利的には難しかったと思いますが、ごっつ世代としては見たかった。まあそもそも「聖母たちのララバイ」が搭載されていなかったんですが。

 それにしてもP機で復活するとは思いませんでしたよ。第2弾の『CR火曜サスペンス劇場 真相の扉~22の過ち~』から4~5年空いてましたから、いい意味での一発屋的な機種になるかと思ってました。

 一発屋は言い方が悪いですね。あえてシリーズを繋げない硬派な伝説的機種として記憶に残る名機になる道もあったよなーと。「いやー、シリーズ機打ちたかったなー」と言わせる機種ですね。『CR牡丹と薔薇』みたいな。

『CR牡丹と薔薇』、後継機めちゃめちゃ打ちたいじゃないですか。でも初代のインパクトを越えられなかった時のことを考えると1代かぎりのマシンでもあったのかと続編を出さないことが正解にも思えてきます。

 人気がなかったからシリーズ化されなかったんじゃなくて、人気があっても第2弾を出さなかったとかカッコよくないですか。そういう台があってもいいですよね。『CRX‐FILES』とか。あ、あれドラマ関係なかった。いや、ああ見えて関係あるんだよ! 関係あるんかい!

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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