甘デジ「ST5回転」に全てがつまった傑作が撤去へ…一子相伝の爆裂シリーズにさよならを

「ST5回転」に全てがつまった甘デジ『北斗の拳』の傑作

 これまでCR機では「2回ループ」や「ST RUSH」など革命的な連チャンシステムが生み出されてきたわけですが、そのなかでもとりわけ凶暴な出玉性能を引き出しながらスリリングなゲーム性を構築した「バトルタイプ」はパチンコに華を与えてくれました。

 そのバトルスペックを代表する3大バトルマシンといえば『ウルトラセブン』『慶次』『北斗の拳』ですが、特にバトルの要素がバチッとハマったのが『北斗の拳』ではないかと思います。これはもうパチスロ版で証明されていたこととはいえ、やっぱり最強のバトル演出は『北斗』ということで異存はないかと。

 しかし、現状打てるCR機で本来の『北斗』を体現できているシリーズ機がありません。『ぱちんこCR北斗の拳7転生』はバトルに勝てば2400発でモード継続と『北斗』味あふれる内容ですが確変65%規制により高継続という大事な部分が削がれています。

 そして『CR北斗の拳6 宿命』以前はすでに打てない。実質的にホールでCR機の『北斗の拳』を堪能できる機会は存在しないのです。寂しい限りですがこれもまさに宿命。なのでギリギリ打てる『ぱちんこCR北斗の拳6 天翔百裂』で少しは気持ちを紛らわせます。

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 パチンコ『北斗の拳』シリーズといえば「ケンシロウ」をイメージした高継続タイプと「ラオウ」をモチーフにした出玉感タイプの2軸で展開していましたが、ナンバリングタイトル『4』からパチスロを連想させる『百裂』タイプが登場しました。

 ミドルタイプのST機で32Gの興奮が味わえる「北斗カウンター」を搭載した新機軸の北斗スタイルをファンに提案。スピード感のある連チャンで一定の評価を得ることはできましたが、これが『北斗』かと詰められると黙ってしまいます。

 と、ここで閃きました。もうひとつ違うパチンコの『北斗』があるではないかと。それは「甘デジタイプ」です。2代目から小回転数STシステムによる甘デジが登場し、現在まで脈々とそのゲーム性が受け継がれているではないですか。これもまたCRを駆け抜けた『北斗の拳』です。

デジハネCR北斗の拳6慈母』は、甘デジでももうひとつ軽さを感じられる1/89.9の大当り確率。パチンコにおける連チャンのすべてがつまった5回転のST。電サポ100回転も用意された継続性。甘デジの究極がここにあるといっても過言ではありません。

 ST演出ははやり「クラシック」が良いですね。ラオウに出会えば大当り。5回転を1つのシーンとして、やってくる歓喜の瞬間はどのタイミングもゾクゾクするほど最高の間となっています。

『7』では『天破』と時短突破型に変更してしまい、先日公開された『8』の甘デジタイプも同様。スピンオフとなる『北斗無双』は『夢幻闘乱』といい『第2章連撃Edition』といい、昨今のトレンドを踏まえたスペックです。このまま突破型のループ率重視タイプに移行し、伝統的な『北斗』の甘デジは滅亡してしまうかもしれません。

 そういった意味でも貴重であり重要な機種となる『デジハネCR北斗の拳6慈母』。その面白さ汚れなき永遠のユリア(マリア)なのです。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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