パチンコ業界初!?「アルバイトが店舗管理者」に!?

 パチンコ店は風営法の下で運営されているのはご周知のことだと思うが、パチンコ店に限らず営業者は店舗管理者を選任しなければならないことも当然ご存知だろう。

 パチンコ店管理者の多くは店長クラスの役職者を選任することが大半だとは思うが、そこは法人、店舗規模によっても多少違ってくる。主任が管理者の場合もあれば、店長以上が管理者になるケースもあるのだ。

 店舗管理者になるための試験などはないが、一定の条件に該当する者は管理者になれない場合もある。その条件と言うのが非常に細かく多岐にわたるのだが、小さな店舗や法人などでは「前任者が急に退職したため管理者とならざるを得なかった」という方もいることだろう。

 そうやって管理者となった者も、やはり前任者に次ぐ役職者である場合がほとんどか、最低でも社員だと思うだろうが…。

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 私の知る店ではそうではなかった。そこは小型店で店長とアルバイト2~3人でホールを回していたのだが、その店長が突然辞めてしまったのだ。

 従業員が突然辞めてしまうというのはよくある話だとは思うが、その店の店長の上役はオーナーのみ。当然のことながら「管理者はオーナーが引き継ぐ」と思われたのだが、何とオーナーは管理者になることを拒否。1人のアルバイトに管理者を任命したのである。 

 オーナーに選ばれたその男は、可愛がられていた手前か断り切れず、しぶしぶ承諾したのだ。

「そんなまさか!?」と思うかも知れないが、紛れもない事実である。その際には管理者不適合についてじっくりと調べ、所轄にも問題がないかきちんと確認し回答を頂いたそうだ。

 そのオーナーは、そもそも仕事は全て任せっぱなしで「何ひとつとしてやりたがらない」「とにかく楽をしたい」という感じ。それなのに「自分が楽をするため」の労力だけは惜しまないのだから、全くもって不思議である。

 それにしても「信じられない」というか「有り得ない」というか…さすがにこの話を聞いた時は耳を疑ってしまった。少しくらいは店の事が心配にならないのだろうか。

 店長不在の店舗となり「少しくらいは自分が先頭に立って頑張ろう」といった気持ちが、微塵もないのだろうか。真意のほどは分からないが、本当に理解し難い行動だった。 

 気になるのは就任後の様子である。無難なスタートを切った模様。少人数で回していたので、アルバイトといえど本来であれば社員や役職者がこなすような業務もある程度は問題なかったようだが…。

 長続きする訳もなく、程なくしてそのアルバイトも辞めたのだとか。その後は自らが管理者となったのか、それとも他のアルバイトが管理者になったのか…その後の状態は把握できていない。

 いずれにせよ、その店が営業を続けていくのは困難だろう。このような考えのオーナーがトップにいる店では、生き残ることができないのは明白だ。そうでなくとも厳しい時代なのだから。

 こうやってまた古き良き小型店が姿を消していくのかと思うと、ただただ悲しくなるばかり。心からそう思わせるエピソードだった。

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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