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甘デジ「超大物」より先に登場した傑作!?

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遊パチ『海物語シリーズ』よりも先に登場した傑作!?

 今や低貸しパチンコが市民権を得ていますが、その中でもっとも支持されているのは大当り確率99分の1の『PA海物語シリーズ』(三洋物産)ではないでしょうか。

 現在の『PA海物語シリーズ』では、一部の機種において「遊タイム」が備わっています。平均すると、低確率状態の約300回転ほどで「遊タイム」に突入。その回数は約379回の時短に入ります。必ずしも「遊タイム」に入ったから、大当りするわけではなく、あくまでも一時的な救済措置と考えるべきでしょう。

 しかし今から約15年前の遊パチタイプ登場時、「遊タイム」や最大16ラウンド大当り機能などは備わっていませんでした。

 それに『海物語シリーズ』の遊パチタイプは、意外なことに他メーカーから多少遅れて『CRスーパー海物語SAE』が登場しています。通称「白海」です。大当り確率89.75分の1、大当り終了後に5回転STがあり、時短が20回もしくは45回付でした。

 そんな「白海」の前に発表された遊パチタイプですが、各メーカーが試行錯誤して様々な機種を発表していました。それも、『海物語シリーズ』とゲーム性やキャラクターなどが酷似したパチンコ機が登場していたのです。

「イルカと人魚」が主役のリスペクトパチンコ機を先行発表‼

 その機種は、2005年に発表『CRドルフィンダイブW』(藤商事)です。

 他メーカーでも『海物語シリーズ』をリスペクトして、似たような機種を発表してきました。しかし、遊パチタイプで本家の三洋物産よりも先行するとは思いませんでした。

 大当り確率97.7分の1、確変率が46%、1回の大当り出玉は約470発でした。この機種はST機ではなく、次回までの確変ループタイプでした。通常大当り後に、50回転の時短付です。「胸キュンタイム」が発生すれば2ラウンドの突然確変に当選し、確変モードの「イルカ群高確率モード」に突入します。

甘デジ「超大物」より先に登場した傑作!?の画像2 この機種の主役は「パインちゃん」という人魚です。リーチアクションではWリーチになれば出現します。予告も『海物語シリーズ』と酷似していて、泡予告も存在。でも泡予告は色によって多少の信頼度は変わります。

 また魚群ではなく、同機種は「イルカ群」が横切る構成でした。画面上にはイルカの大きな役モノを配置していて、様々な場面でぐるぐる回転すれば大当りに直結していました。

 同機で使われた台枠は、「パレットキューブ枠」という名称でした。初代の『CRリング』でも使われています。細かいキューブ形体が、多く散りばめられていました。

 そのチャンスボタンもキューブ型になっていましたが、お客様が強打や連打をしたりしていたために、長い期間設置していたパチンコ店ではボロボロ状態でした。

 私が最初に勤務していたパチンコ店では、同機を大量に導入していました。時間効率も良く、単純明快なゲーム性は海物語と類似していたので後に導入した三洋の『海物語シリーズ』よりも支持はあった印象です。

 もし『海物語シリーズ』の遊パチタイプで、あの「白海」がこの手の単純な機種として一発目に発表していたらどうだったでしょうか。

 もしかしたら『CRドルフィンダイブ』が発表していなかったかもしれません。ゲーム性によっては、相乗効果でどちらも稼働が高かったかもしれないでしょう。

(文=四本コーヒー店.)
<筆者プロフィール>
 パチンコ好きが高じて異業種から転職し、長年パチンコ店の一般正社員としてホール現場を見てきた。単にパチンコを打つだけでなく、新規グランドオープンなどの市場調査やレトロ台探訪、のめり込み防止のための依存症考察など様々な遊技関連を日夜追っかけている変態パチンカー。そのため、大御所ライターや遊技機メーカーや周辺機器の幹部、他ホール法人の幹部などとの交流がある。ちなみに「四本」の読み仮名は(よんほん)ではなく(よつもと)である。

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