パチンコ界にも元気を与えた「アントニオ猪木」という名の英雄。燃える闘魂が消えることはない

町男コラム「追悼アントニオ猪木」

　こんな日が訪れるのもそう遠い未来じゃない。そう思ってはいてみても実際にその日がやってきたときの衝撃は計り知れないものがありました。巨星墜つ。伝説、アントニオ猪木氏がこの世を去りました。

　実際にはドンピシャの世代ではありませんが、その強烈なカリスマ性に魅了され、多大な影響を受けたファンのひとりです。彼の放つ圧倒的なエネルギーは生きていく力を沸き立たせてくれるのです。

　戦いに見せる狂気と道化も演じるエンターテイメントなど、常識などという安っぽいものには縛られない圧倒的な魅力は唯一無二。アントニオ猪木はアントニオ猪木なのです。言葉を継げば継ぐほど、本質から遠ざかり、本人を穢すような気がしてしまいます。

　アントニオ猪木を弔うには国葬こそふさわしいとは思いますが、末席とはいえパチンコ・パチスロ業界に寄生している身としては、はやり本人の機種をもって見送ることが良いかと思い、パチンコ畑の人間ではありますが『闘魂継承アントニオ猪木という名のパチスロ機』を打つことにしました。

追悼となるシリーズ最新機種の登場を期待

　というのも、現状でアントニオ猪木の冠がつくパチンコ機がないのです。コレは由々しき事態ではありませんか？　平和・アムテックスにおかれましては、ただちに追悼となるシリーズ最新機種をリリースすることを願ってやみません。

　現時点で最後の『CRアントニオ猪木 打てばわかるさ!ありがとぉー!!!闘魂ver.』も2019年登場なので古いということはありませんが、P機で『猪木』が出てないとは問題です。

　まあ、この業界で『猪木』の名を広めたのはパチスロではあります。『アントニオ猪木という名のパチスロ機』。狂乱のAT全盛期からはスペック性能が一段下がりますが、REG＋BIG＋闘魂チャンスの3連コンボが発動する「チャンピオンロード」は破壊力抜群。その呼び水となる「道演出」はGOD揃い並みのスロッター憧れ演出でした。

　押し順に成功すればチャンスとなるゲーム性やアントニオ猪木のキャラクターを最大限に詰め込んだ演出など、完成度の高い機種として2003年の最大級ヒットとなりました。

　このパチスロのヒットを受け、パチンコでも『アントニオ猪木』が躍動。『CRアントニオ猪木という名のパチンコ機』からはじまり、『CR燃える闘魂アントニオ猪木』『CRアントニオ猪木という名のパチンコ機 道』『CRアントニオ猪木という名のパチンコ機～やれるのか、本当にお前～』『CR燃える闘魂アントニオ猪木～格闘技世界一決定戦～』『CRアントニオ猪木 打てばわかるさ！ありがとぉー』とシリーズ機を展開してきました。

　私の思い出に残っているのは『道』ですかね。マックスタイプの爆発力はもちろん、コミカルとリアルがバランスよく配合された演出も秀逸で、特に確変「闘魂チャンス」ではアンドレや藤波といったライバルたちと繰り広げる伝説の7番勝負にアツくなったものです。

　アントニオ猪木は不滅。いつまでも私の心のなかで、多くの人々の記憶のなかで生き続けるでしょう。不出世の天才カリスマプロレスラー、アントニオ猪木よ、永遠なれ。