パチンコを「大衆娯楽」に戻すために必要なことは?「ひげ紳士」が講師として登壇…何を語ったのか
前回は、レトロ台ゲームセンター「神田センター」での万枚達成をリポートしました。あの人の「あのひと言」がなければ、撤去手前で万枚を達成することができなかったというお話だったのですが…。
そのあの人とは、同センターや「ゲームセンタータンポポ」のオーナーである「ひげ紳士さん」です。ある時に打つ機械に迷走していた時、ひげさんから「地下コーナーのイカが面白いよ!」と教えてくれたのでした。本当にひげさんは、困った時のパチンコパチスロのソムリエなのかもしれません。
そんなひげさんですが、私が毎月参加している遊技業界のセミナーにオンラインで登壇していただきました。今回は、そのセミナーでひげさんがどんなことを語ったのかをリポートいたします。
「ひげ紳士」が講師として登壇。何を語ったのか?
今回のひげさんの登壇について、実は数ヶ月前から準備は進んでいました。同振興会のトップの方々から「ひげ紳士さんにセミナーお願いできませんか?」と私に打診があったのです。
理由として、「タンポポ」や「神田センター」に通ってひげさんと接点があるからでした。その2つのレトロ台ゲームセンターを含めて、ひげさんの活動をセミナーでリポートしてほしかったからだそうです。
セミナー開催までの間、セミナーで使用する資料などの進捗状況を私が確認することもありましたが、お会いする度に「何を発表すればいいのか、困っているのですよ!」と冗談交じりにおっしゃっていたのを思い出します。
パチンコを「大衆娯楽」に戻すために必要なことは?
この内容は、2年前に発売された『Youtuberホール社長ひげ紳士の挑戦記~大衆娯楽を取り戻す!~』(辰巳出版)の書籍にも含まれていました。しかし「神田センター」もオープンし、リアルな数値や書籍に掲載されていない事実も今回は一部お話ししてくださったのです。同書籍はもちろん購入して内容は把握していましたが、初めて耳にしたことも今回あって衝撃を受けました。その内容は多岐に亘るのですが、気になった点をまとめてみます。
「タンポポ」はひげさんにとって「デモ店舗」?
衝撃を受けた内容のひとつは、「タンポポ」はひげさんにとって「デモ店舗」という位置づけだったというもの。その真の目的は、パチンコを大衆娯楽として本質的に認められるための、ひとつの手段というのです。それもひげさんには、「幸チャレ」など4号営業の遊技場でユーザーと業界の回復に貢献したい意図がありました。
しかし、その観光地への出店は諦めていないそうです。その理由をひげさんは、ゲームセンターの未来として語ってくれました。それは「外国の方々にレトロ台を遊技してもらい、パチンコパチスロの素晴らしさを認めてもらうことで、逆にパチンコ文化を生んだ日本の世間自身に自信を持ってもらいたい」ということです。実際に都内よりも、直近2~3年の間に関西方面でゲームセンターが実現する可能性があるみたいです。
「幸チャレ」についての現状を語る
また、通常のパチンコ営業(4号営業)の「幸チャレ」についても現状を語ってくれました。現状同店に来店する人に共通していることを、ひげさんはいくつかにまとめていたのです。
それは、今のパチンコパチスロに疲れた人、勝ち負けに固執しない人、近況報告に来てくれる人、コミュニティを求めている人、等々だそうです。
確かに、同店に限らず2店舗のレトロ台ゲームセンターも含めて全国から来店しています。ネットやSNSが発達し、どんなホールでどんな店員さんなのかを確かめたいからでしょう。
ひげさんが、実質3店舗の運営から目指していることは、「あらゆる取り組みで大衆娯楽を取り戻したい!」ということです。
ひげさんは「大衆娯楽」という言葉を具現化、多くの人々の心を楽しませるためにも、これからも様々な仕掛けを考えていくみたいです。「幸チャレ」ではオンラインサロンを通じて、「みんなでつくるパチンコ店」を目標に参加者が店舗運営に携わっています。新たな運営モデルも、業界内外から注目されています。
私はひげさんのように具現化はできません。ただ、レトロ台ゲームセンターに行って打つことで「ひげさんが代わりにカタチにしてくれる」はずです。繰り返しますが、今のパチンコパチスロに満足しないユーザーが、当時のレトロ台を打てるようになることで、遊技の受け皿となり、やがて大衆娯楽を取り戻すことができると私も確信しています。