アニメ市場規模「2兆円」突破はパチンコありき? 新規開拓「エンタメ業界」に参入も大惨事確定のワケ
2016年度アニメ産業の市場規模が初の「2兆円」を突破したことが「www.fnn-news.com」の調査で分かった。
内訳を見ると、最も売り上げたのが「海外での売上」。その金額は脅威の「7676億円」と外国での人気の高さが伺える。その要因には、世界中で大ヒットした映画『君の名は。』の影響が大きいようだ。その次に「アニメグッズ」の「5627億円」。そして、売上第3位にランクインしたのが「パチンコ・パチスロ機」。その金額は「2818億円」とのこと。
昨今のパチスロ・パチスロ機は「アニメコンテンツ」とのタイアップ機がほとんどを占めており、パチンコ業界にとって「必要不可欠な存在」となっている。その結果、萌えキャラが多く描かれたスロット「萌えスロ」は、多くの新規ユーザーを取り入れたことは間違いないだろう。
その代表的機種と言えば、声優の田村ゆかりや釘宮理恵など、豪華声優陣を起用した『快盗天使ツインエンジェル』シリーズ、萌えキャラパチスロの先駆け『Rio』シリーズだといえる。また、これらはパチスロのオリジナルコンテンツにもかかわらず”逆輸入”という形でアニメ化され、大きな注目を集めた。
このようにアニメ業界・パチンコ業界は相互に利益をもたらす密接な関係だといえる。そんな中、パチンコ業界は新たな新規開拓に向け、以前から着々と動き出している。それが、ドラマや映画といった「エンタメ業界」だ。
今年7月、パチンコメーカー「サミー」とフジテレビが異世界バトルSFドラマ『ROAD TO EDEN』の共同制作が決定。また、今月26日から動画配信サービスFOD(運営・フジテレビジョン)で放映開始することが今月24日に発表された。注目すべきキャストは、主人公に俳優の柄本佑、ヒロインにモデルで女優の久松郁実が務める。その他に、個性派俳優の古田新太や、内山理名、宇梶剛士という豪華な顔ぶれとなっている。
このような異業種同士のタッグに「大きな効果が得られるのでは」と期待する声が挙がっているが、不安視する声の方が多いようだ……。
「パチンコ業界が他業種とコラボしたケースは以前から多くありますね。その筆頭が、パチンコメーカー『京楽産業.』です。以前からアイドルグループAKB48系列のバックスポンサーを行うなど密接な関係を築いているようですね。その関係性を活かして製作協力した、AKB48元メンバー・前田敦子と俳優・成宮寛貴が主演を果たしたホラー映画『クロユリ団地』は、2週連続で映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)『1位』を獲得。まずまずの結果となりました。」(記者)
ただ、ヒットには至らず”不評を買った”作品も存在する。
「それが、2015年に公開された同元メンバー・島崎遥香主演のホラー映画『劇場霊』です。人気メンバーの主演映画、フランスで行われる第21回エトランジェ映画祭に出品するなど大きな注目を浴びましたが、観客動員初登場7位、興行収入は約2億円と結果は振るわず。
また、俳優の伊藤英明や武井咲など豪華キャストを起用した人気漫画の実写化映画『テラフォーマーズ』に製作協力するも、興行成績ランキングは7位から10位を推移。視聴者からは『感情移入できない』『俳優陣がムダに豪華』と酷評の嵐でした。パチンコ業界とエンタメ業界の相性は良くないのかもしれません……」(同)
果たして「サミー」は今回の共同製作ドラマで”エンタメ業界”での成功例となりうるだろうか。前例を見ると不安要素満載であるが、新たな試みに期待したいところだ。
(文=編集部)