「レジェンド」と「パチスロ」出会いは「意外な形」!?【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.02】
なけなしの1万円札を両替機と間違えてメダル貸し機に挿入。仕方なくパチスロを打ってみたら速攻で777が──。
前回は、そんな初打ちでのエピソードを綴らせていただいたわけだが、筆者がパチスロに「触れた」のは、実はその時が生まれて初めてのことではなかったのである。
時は1986年の夏にさかのぼる。二十歳を過ぎたばかりの筆者は、プロデビューを目指してバンド活動に熱中していた。
アマチュアなので何か仕事をしないとメシが喰えなかったわけだが、練習やライヴなどバンドの予定で生活が不規則、なにより「ロックなビジュアル」のせいで、なかなかいい仕事にありつくことができなかった。
そんなある日のこと、たまたま手にした求人情報誌に、こんな募集広告を見つけた。
「パチスロ機の組立」
「時給800円、交通費・弁当支給」
当時は、喫茶店のウェイターとか服飾店の販売員が時給450円くらい、酒屋の配達とか倉庫の在庫管理といったちょっと肉体的にハードなものでやっと600円くらいの時代。あまりに破格の好条件に、思わず「ごくり」と喉を鳴らした。
「パチンコ屋にあるスロットマシン」
パチスロ機というものについては、漠然とそういう認識を持っていた。が、そもそも当時の筆者はパチンコそのものに興味も無ければパチンコ屋に足を踏み入れることも無かったので、実態はいかなるものか知る由もなかった。
いずれにしろ、これほどの好条件の仕事は滅多にない。さっそく、記された番号をダイヤルして面接のアポイントを取ることにした。