全国統一基準の制定~パチスロ1号機の誕生~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.08】
最大の違いは、出玉獲得の要となるボーナスゲーム。0号機までは、現在の『ジャグラー』や『ハナハナ』などでいうところのレギュラーボーナスのみが搭載されていた。
1回あたりの出玉は、90枚程度。しかし、一度それが当ると、あたかもパチンコの確変状態のようになって連続で当り続け、所定の枚数に到達すると打ち止め終了となるシステムだった。
打ち止め枚数は当然のことながら店のレートによって異なっていたが、景品にするとだいたい1万円くらいになったらしい。これが「射幸性が高い」と問題視され、規制の対象となった。
そこで1号機では新たに、最大30回の小役ゲームと最大3回のJACゲームからなる「ビッグボーナス」を導入。獲得枚数は1回につき最大360枚と上限が定められた。
この1号機で導入されたビッグボーナスのシステムはその後、2号機や3号機へと規則が変わっても受け継がれ、パチスロのゲーム性の根幹を成すものとして定着する。
出玉が抑えられ一発逆転の要素が払拭されたことに、旧来からのファンは落胆した。しかし、見方を変えれば、出玉が少なくなった分、当たりやすくなり、気軽に遊べるようになったのだ。
このことは新たなファン層の獲得に繋がった。全国統一基準により、ホール側もパチスロを設置しやすくなった。結果、パチスロは一気に普及し、市民権を得てゆくのである。
(文=アニマルかつみ)