パチスロ4号機「AT130連チャン」も話題の伝説的コンテンツ! パチンコ分野へ初参戦した偉大なる初代を振り返る
2000年代初頭に訪れたタイアップの風が、その後のパチンコを支える文化の萌芽となった。その中心となったのが『CR新世紀エヴァンゲリオン』であるが、ほかにもさまざまな人気となるシリーズ機種が続々と登場した。そんななかの一台が『CRゴルゴ13』である。
「ゴルゴ13」は1968年からいまでも連載が続いている長寿マンガで、50年を超える期間のなかでも休載したのは新型コロナウイルスの影響で余儀なくされた1ヵ月半だけというから驚異的である。
パチンコも同様に、長きにわたってファンに支持されるコンテンツとなったのだが、現在版権を持っているSANKYOは2018年からのシリーズ化。それ以前の2003年の『CRゴルゴ13』から2013年の『CRゴルゴ13 PAYBACK TIME』までは平和の管轄であった。
もともとは『ゴルゴ13』として2001年にパチスロ4号機からデビューを果たしていた。時代はAT全盛期。このマシンも13ゲームで1セットとなるAT「ゴルゴチャンス」を搭載し、ワンセット92枚が最大で130連チャンする出玉性能を装備している。
その出玉性能をパチンコでも、と目論見たかったであろうが、2004年の規則改定には間に合わず、確変1/2で時短のつくオーソドックスなスペックでの登場となった。
ただ、これもこの時期の特徴となっている複数のスペックタイプを用意。大当り確率がもっとも低い1/356.6の『YJ2』と、大当り確率が1/315.4で出玉がフルカウント2400発の『XK2』、9カウントで出玉が少し抑えられた『XJ2』の3種類がある。
このように、出玉では見せられなかったパチスロ要素は演出面で発揮されている。それは液晶とリンクして作動するドラムギミックで、パチスロでいうテトラリールのような役割を果たしている。
ノーマルリーチハズレ後に発展する「ドラムリーチ」はゴルゴがドラムに向かってライフルを発射し大当りを狙う。ドラムの動きによってプレイヤーを翻弄するスリリングな演出となっている。
また、より直接的にパチスロを意識した演出も存在し、パチスロで使用されていたドットアクションがそのままに再現されている「ドットリーチ」といった演出も用意されている。
ちなみに、本機はパチスロメーカーのオリンピアと平和で共同開発のパチンコブランド「HEIWABROS」による製造で、その第一弾となる。その後も『ゴルゴ13』シリーズ機や『CRエースをねらえ!』『CR探偵物語』『CR粋だね!サブちゃん』などのマシンを生み出した。
後にオリンピアを子会社することでその歴史的役割を終えたHEIWABROSだが、メーカーの新たな可能性を示すことに成功したのである。「未熟な者にいつかは決して訪れない」。メーカーとしての力量が名機を生むのである。
(文=大森町男)
<著者プロフィール>
羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。
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