パチスロ「1997年新規参入メーカー・ベルコの初期3作」~4号機名機伝説~『さるかに合戦&2』『ゴールデンベル』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.151】
『スーパービンゴ』シリーズや『デジスロ』シリーズでお馴染みのメーカー、ベルコ。
同社は70年代末に創業し、メダルサンドなどの周辺機器の開発製造やパチスロ機の販売代理業などを営んでいたが、96年にメーカーとして日電協に加入。翌97年、デビュー作『さるかに合戦』をリリースし業界参入を果たした。
当初は関西の老舗メーカー・高砂電器と提携し、筺体などハードウェアの供給を受けていたのだが、それもあってか新規参入メーカーにもかかわらず非常に完成度の高いマシン作りで話題と注目を集めた。
そんなわけで今回は、同社の最初期のマシン3作を、まとめて取り上げてみたい。
■さるかに合戦
お馴染みの昔話をモチーフにした、ベルコの記念すべき業界参入第1弾。仕様は、表面上のBR比率3:2のAタイプで、スペックは爆発力と連続性のバランスに優れた確率配分となっていた。
ゲームを彩るのは、テーブル式リール制御を駆使した多彩なリーチ目。左・右リールの親ガニや子ガニが中リールのサルをハサむパターンは、「悪いサルを退治する」といった原作のストーリーにちなんだものだろう。
ところで、役構成をよく見るとリプレイとなる組み合わせが「ハチの3つ揃い」と「カニ・ハチ・ハチ」の2パターンあるのだが、もちろんこれには意味がある。リプレイは通常、「ハチの3つ揃い」が基本となるが、ボーナス成立後は「カニ頭」が優先的に揃うようになっていたのだ。
技術介入性については、ビッグ中のリプレイハズシが対テキトー打ち比でプラス17枚と、まずまずの効果が期待できた。
■さるかに合戦2
前作のモチーフや仕様を踏襲しつつ、あらゆる面でグレードアップが図られた第2作。
役構成は小役が3種類から2種類になったほかは、概ね前作と同様。スペックは、低設定域ではよりビッグ偏向、高設定になるほど連続性に期待がもてる確率配分へと変更されているのが特徴だ。
ゲーム演出の要となる出目演出については、定番のボーナス絵柄の組み合わせ型のほか、各リールに固まって配置されている「親子カニ」と「親子サル」の組み合わせが停止すればすべて鉄板というユニークかつインパクト絶大なアイデアが新たに導入され、よりバリエーション豊かなものとなった。
技術介入性については、ビッグ中のリプレイハズシがプラス30枚と、前作をはるかに上回る絶大な効果を記録。中→右→左の順に「カニ」「サル」「サル」を目安に狙うだけと手順も容易に、強化された出玉性能をさらにバリューアップすることができた。
■ゴールデンベル
前2作と打って変わって、漆黒をベースとしたシックでトラディショナルな装いをまとって登場した第3作。
仕様は前2作と同様、オーソドックスなAタイプで、役構成はベルの3つ揃いが0枚役になったり、JACの払い出しが14枚になるなど微妙な変更があるものの、絵柄配列は『さるかに合戦2』を踏襲したものとなっている。
スペックも、ボーナス確率は『さるかに合戦2』に近しい値となっているが、JACが14枚になっているぶん、機械割はダウン。これについては、当時増加しつつあった等価など高交換率営業を考慮したものと考えられる。
ゲーム上の最大のセールスポイントは、ボーナス成立ゲームにおける衝撃的な告知アクション。…そう。本作は、3作目にして同社初となる完全告知マシンなのである。
ボーナスが成立すると、いずれかのリールを停止させた直後に金属的な凄まじい効果音が鳴り響くとともに、トップパネルの「7・ベル・BAR」の部分が左から点滅し、最終的に3つの絵柄すべてが点灯すればビッグ、7とBARの2つだとREGとなる寸法。
どのタイミングで発動するかは完全にランダムだったので、いつ何時も気が抜けずスリリングでドキドキワクワクなゲームを楽しむことができた。
最後に、技術介入性については、『さるかに合戦2』と同様にビッグ中のリプレイハズシが効果絶大。先述のとおり絵柄配列が同一なので、同じ手順でプラス26枚強の効果が期待でき、「辛めの機械割をカヴァーするためにも要実践」とされた。
『パルサー』シリーズで市場を席巻する山佐と、『クランキーコンテスト』を筆頭とする技術介入マシンで勢力図の塗り替えんとするユニバーサルの一騎打ちで盛り上がる90年代中盤の回胴シーンに、彗星のように現れた新参メーカー・ベルコ。
同社はその後、7セグデジタルによる刺激的なゲーム演出を搭載したマシンを意欲的にリリース。業界内での確固たる地位を築いてゆくのであった。
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