パチスロ「高確率&超快速な集中役が魅力の史上初B-Cタイプ」~4号機名機伝説~ 『キングオブカリブ』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.100】
1993年春の史上初Bタイプ機『トロピカーナ』を皮切りに、勢力的に新作を市場に投入してきた業界最大手メーカー、ユニバーサル。
その1995年モデル第1弾として前年の暮れに発表されたのが、「キンカリ」こと『キングオブカリブ』である。
『キングオブカリブ』
出玉が少ない分、ビッグ確率は集中役搭載機にかかわらず一般的な純Aタイプ機並みに高確率。対する集中役についても、当選確率は全設定において非常に高い確率に設定されているのが特徴だ。
しかし、いくらパンク確率が4号機の規定ギリギリに設定されているとはいえ、数値的には3号機のおよそ2倍もあり、長打は期待薄。1回あたりの平均獲得枚数は、集中役単体の場合はせいぜい300枚ちょっとだった。
続いて、技術介入要素について。集中役搭載機は規定上、通常時の小役補正機能は搭載してはならないことになっているため、取りこぼしは丸損。面倒でも毎ゲーム目押しで小役完全奪取が推奨された。
一方、ビッグ中のリプレイハズシについては当初、リール制御が変更されたことで従来のユニバーサル系マシンのようにハサミ打ちハズシが効かなくなってしまったため不可能と思われた。
しかしその後、リール配列の盲点を突くことで獲得枚数の大幅アップが可能であることが判明。シビアなビタ押しが必須のため難易度は高かったが、効果の方もテキトー打ちに比べて平均プラス30枚強と激高だった。
絵柄が異なるだけで役構成や払い出しは「キンカリ」と共通。スペックの各数値も、コンマ数分の1レベルまで、「キンカリ」のまんまだった。
そして、出玉獲得の要となる「セブンラッシュ」と名付けられた集中役の性能も、「キンカリ」の「パーティーチャンス」と同レベル。
ビッグ中のリプレイハズシ攻略法の手順や効果も、「キンカリ」のそれとまったく同じ。ビタ押しハズシを駆使することで、30枚強もの獲得枚数アップが期待できた。
史上初のB-Cタイプ機として大いに注目を集めた『キングオブカリブ』と、そのデザイン違いの兄弟機『ハリケーン』。
大量リーチ目搭載Aタイプ機が持てはやされていた時代にあって、けしてセールス的な大成功を収めたとはいえない両機種だが、ユニバーサル系マシンとしては初となるハサミ打ち対応の出目や高い技術介入性など特筆すべき点は多く、同社の歴史においてひとつのターニングポイントになった機種であることは間違いないだろう。
(文=アニマルかつみ)
〈著者プロフィール〉
兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。
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