パチスロ「一撃万枚の『夢』が詰まった爆裂Cタイプ機」~4号機名機伝説~ 高砂電器『セブンスポットSS』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.134】
アニマルかつみの回胴青春時代Vol.134
4号機までのパチスロでは許可されていて、5号機になって禁止された出玉性能に関する機能に「集中役」がある。
特定の小役やシングルボーナスが特定の区間(ゲーム数)、確率が大幅にアップすることで相当量の出玉が獲得できるというもので、1988年の2号機で搭載が許可された。
その2号機における集中役は、「フルーツ」と呼ばれた小役の集中役は対象小役に応じて継続ゲーム数が定められていたが、シングルボーナスの集中役についてはビッグ成立で終了となる以外、終了条件についての規定が特になかったようで、初代『アラジン』のような果てしなく出玉を吐き続ける過激なマシンが誕生。ファンをおおいに熱狂させた。
ともかく集中役は、獲得枚数の上限があるビッグやREGといった従来からのボーナス役とは異なり、どれくらい出るかわからない…つまり「夢」に満ちあふれていた。
が、さすがにそれでは射幸性が高すぎるということで、続く3号機ではパンク確率の下限を300分の1とする規定を制定。それが4号機になると一気に倍の150分の1(Aタイプベースの場合)に引き上げられ、かつてのような「果てしなく出玉を吐き続ける」ことは現実的に不可能となってしまった。
しかし、人という生き物は、いつの世も夢を追い求め、不可能とはわかっていても、それを実現しようと愚直なまでに努力をするものである。今回は、そんな開発者の涙ぐましい努力によって誕生した1台のマシンをご紹介しよう。
■セブンスポットSS
Cタイプゆえにビッグは未搭載。REGと集中役、2つのエンジンで出玉を獲得する仕様となっているわけだが、メインとなるのは言うまでもなく後者、集中役である。
先述のとおり4号機では、パンク確率の下限が2号機や3号機と比べ大幅に引き上げられたことで、一撃での破壊力が大幅にダウンしてしまったわけだが、それをカバーして余りあるのが突入確率の高さ。
最低設定1でも390分の1、最高設定6に至っては277分の1と一般的なAタイプ機のビッグボーナスに匹敵する値となっており、連続して突入することで一撃大量獲得が期待できるようになっていたのである。
新宿歌舞伎町にあった店を舞台にして行われた、パチスロ必勝ガイドの7日間リレー実戦企画「91時間バトル」でのこと。自分は最終日を担当したのだが、日中は出たり入ったりの緩慢な挙動に甘んじていたものの、夕方からまるで何かスイッチでも入ったかのように連打&長打が止まらない状態に突入。一撃で5千枚強の出玉を吐き出したところで、「すみません、そろそろ閉店ですので…」と、可愛らしいギャル店員に肩をそっと叩かれた。
規定による仕様やスペックの上では、すっかり「夢」を抱けなくなってしまった4号機の集中役。しかし、時としてこのような想定外の猛爆を見せてくれるのだから、集中役にはやはり「夢」が詰まっている──。そう痛感させられた、27年前の秋の夜。