パチンコ「平成デジパチ連チャン機ブームの立役者たち」【アニマルかつみの銀玉回顧録 Vol.017】
未曾有のバブル景気に日本中が踊り狂っていた昭和の終わりから平成の初頭。パチンコ業界も、イケイケドンドンなムードに沸き立っていた。
前回も少し触れたとおり、平成元年から翌2年にかけて強烈な連チャン性を持ったデジパチが次々と登場。攻略情報誌でも毎号のように特集記事が組まれるなど、大変な盛り上がりを見せていたのである。
今回は、そんな平成初頭の連チャン機ブームの立役者とも言える三共(現SANKYO)のデジパチ『フィーバーレクサス』シリーズ3作を、まとめてご紹介したい。
■フィーバーレクサスⅤ
平成元年夏に登場したシリーズ第1作。仕様面での最大の特徴は、ドラムの制御機構にパチスロ機ではお馴染みのステッピングモーターを初めて用いた点に尽きる。
従来のドラム式デジパチは、回転するドラムをストッパーで停止させるだけの単純な仕組みだったが、自在にドラムをコントロールできるステッピングモーターを採用することにより、スロー回転など多彩なリーチアクションが可能となった。
大当り図柄は、「7」「SANKYO」「FEVER」「BAR」の4種類。パチスロ機よろしく、これらの図柄が横3本あるいは斜め2本の5ラインいずれかに並べば大当りとなる。
大当り確率は205分の1と当時の2000発デジパチの中でもかなり高確率な部類だったが、加えて保留玉1つ目に連チャン性があった。
連チャンは大当り乱数が何らかの原因によって残ってしまうことで発生。そのため、必ず同一図柄が同一ラインに揃うのが特徴だった。
■フィーバーレクサスⅦ
シリーズ2作目としてリリースされた本作は、大当り確率が274分の1とかなり低めとなっていたが、そのぶん前作の『Ⅴ』よりも強烈な連チャン性を持ち、また釘調整次第で3000発近い大量出玉が可能となるなど、ギャンブル性の高さが際立っていた。
大当り図柄は『Ⅴ』からひとつ減って「7」「FEVER」「BAR」の3種類。ハズレ図柄にはフルーツが用いられるなど、よりパチスロっぽい仕上がりとなっていたのが、外見上の特徴である。
『Ⅴ』と大当り判定方式や連チャン発生要因が異なっていたため、連チャンは保留玉1個目以外でも発生し、また初当り時とは異なる図柄やラインで揃うという特徴があった。
■フィーバーレクサスⅥD
ポップでカラフルなセル盤が目をひく平成2年春リリースのシリーズ第3作目は、結果的にシリーズ最大のヒットとなったマシン。個人的にも、当時のデジパチではいちばん大好きで、よく打った…というかお世話になった、名機中の名機である。
なお、同一仕様でセル盤のデザインやドラムの図柄が異なる兄弟機『Ⅵ』も同時にリリースされたが、こちらはマイナーな存在だった。
大当り確率は223分の1と、当時の2000発デジパチでは標準的な値となっているが、加えてシリーズ最強ともいえる連チャン性を備えており、結果的にそれがシリーズ最大の人気を獲得する要因となった。
以上がシリーズ3作の概要なのだが、共通する大きな特徴として、「単発回しによる連チャン促進打法」の存在が挙げられる。朝イチ状態から保留玉を点灯させない状態で大当りさせることで、高確率で保留玉連チャンを誘発させることができたのである。
この朝イチ単発回しがもっとも効果的だったのが『ⅥD』で、保留玉1つにつき約40%の割合で最高4連チャンが期待できた。
眠い目をこすりながら朝から単発回しで大当りさせるのは、まぁまぁ苦行だったのだが、その恩恵はあまりに大きく、当時のパチンカーたちの間では「早起きは3万の得」とよく言われたものである。
朝イチでなくとも、とりあえず保留玉を空けて大当りさせればそこそこ連チャンしたので、とにかく『フィーバーレクサスⅥD』には楽しい思い出しかない。
東京福生のゲームセンター「タンポポ」に設置されているようなので、こんどの休みにでも朝から打ちに行ってみるとするか。
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