パチスロ「チェリーが頻繁に出現するとドキドキワクワク!?」~4号機名機伝説~ 尚球社『アドベンチャー』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.137】
アニマルかつみの回胴青春時代Vol.137
近年、どこのパチンコ店にもごくごく当たり前のように設置され、幅広いファン層に親しまれているパチスロ。
いまのようにパチスロがパチンコと並ぶ娯楽遊技機として広く普及するに至ったのは、いまから43年前の1980年に起こった「革命的な出来事」に起因する。
それ以前の遊技機としてのスロットマシンは巨大なアップライト型筺体で、設置するためには相応のスペースを必要とされたうえに、なにより価格が非常に高価だった。
それを、当時最新のエレクトロニクス技術を用いて小型化。工事不要でパチンコのシマにすっぽり収まるようになるとともに価格の方もグッとプライスダウンしたことで、一気にパチンコ店への導入が進んだのである。
このパチンコ型スロット…略してパチスロを初めて世に送り出し、遊技業界の歴史を大きく動かしたのが、関西の老舗メーカー・尚球社。『ジャックポット』シリーズで知られる、現在の岡崎産業である。
同社はその後、2号機時代や3号機時代にも、旺盛なチャレンジ精神をもって斬新かつ画期的な仕様やゲーム性を持つマシンを続々とリリース。都度、話題と注目を集めた。
今回ご紹介する、1996年春リリースの4号機第5弾『アドベンチャー』も、そんな尚球社ならではのユニークなアイデアが盛り込まれた1台である。
■アドベンチャー
役構成をみると、3種類のビッグと2種類のREGを搭載し賑やかな感じだが、意味深な2種類の3枚役も気になるところ。後述するが、この2種類の3枚役が、本作のゲームを特徴づける大きな要素となっていた。
先述のとおり3枚役は、「マンゴーの3つ揃い」と「2連チェリー+魚orマンゴー」の2種類があり、通常時は基本的に前者を優先する。ところがボーナスフラグ成立後は一転、後者を優先した制御に変更、すなわち「チェリーが頻発するとチャンス到来!!」となる寸法である。
最後に、件の設定看破について触れておこう。当時の4号機Aタイプ機は、イン・アウト枚数に応じて高低2種類ある小役確率を切り替え通常時のベースを一定に保つ小役補正機能が多くの機種に搭載されていたのだが、その要となる差枚数カウンタの減算値が本作の場合は全設定で異なり、所定の手順を踏むことですべての設定値を看破することができたのである。