パチスロ「6号機」でも”革命スペック”が活躍!? 時代を創った「歴史的名機」を振り返る!!
2004年から開始されたパチスロ「5号機」が今年2月に終焉を迎え、新規則「6号機」がスタートしました。
今回の規則改正から、ボーナスの獲得枚数は大幅に下方修正され、現行機の『ジャグラー』シリーズの仕様ですら「6号機」では導入することができないのです。
ただ、『スパイダーマン2』(サミー)といったRT機、『2027』(JPS)のようなART機は「6号機」でも搭載することが可能で、今後の新機種にも活用できるシステムといえるでしょう。
そこで今回は前回に引き続き、「6号機」でも活躍するであろう”革命的機能”を搭載した「5号機」名機種を取り上げたいと思います。
“業界初”ARTの新概念
RT機が多く占めているなか、業界初のART機『ジャックと豆の木』(ヤーマ)が登場し「ARTスペック」のシェア率が上がり始めた2007年、現在でも通じる「ART」の基本形を初搭載したパチスロが誕生しました
その機種とは、タイヨーエレックから販売された「マーベルヒーローズ」です。
本機はビッグボーナスとARTで出玉を増やす仕様ですが、これまでにない新概念を搭載していました。なんと今ではスタンダードなシステム「上乗せ」を初めて取り入れた機種なのです。
特定の条件でG数が上乗せされるARTは、ART中のBIG成立で「+50G」、BIG中の純ハズレで「+300」が上乗せされる当時屈指の出玉性能を搭載。また出玉率は「119.5%」と安定さも兼ね備えたスペックでした。
ただ、目押し力や知識が要される上級者向けの機種となっており敬遠したプレイヤーも多かったはずです。それでも、間違いなくパチスロ史に残る名機といえますね。
ART機を定着させた”第3のボーナス”
「パチスロがきっかけでアニメを見た」「アニメそのものにハマった」とパチスロの枠を超える一大ブームを起こし、プレイヤーの心を刺激する「ゲーム性」「革新的なシステム」が多くのユーザーから支持された名機といえば……。
2009年に誕生した『パチスロ交響詩篇エウレカセブン』(サミー)です。本機は、ビッグボーナス・レギュラーボーナスに加え、1セット50GのART「コーラリアンモード」を搭載。ART中のレア小役やボーナス中の7揃いなどでセット数を上乗せする標準的なスペックでした。
しかし本機は、これまでのARTへの突入条件だった「ボーナスを経由」などを一新した”新システム”を搭載していたのです。
それが、通常時からもARTへ突入するルート”第三のボーナス”と呼ばれるもの。通常時のレア役や押し順正解など自らチャンスを掴み取るといった能動的なシステムが、多くのファンから人気を博し大人気機種となりました。
「ボーナスを待つ」という流れを大きく変えた”革命的機種”ではないでしょうか。
名機を複合! AT機のスタンダードを構築
時代は進み2012年。その昨年に登場した『押忍!番長2』『北斗の拳 世紀末救世主伝説』といったART機が最盛期を迎え、出玉性能は大幅に上昇していました。
そんな時、さらに高い出玉性能を誇った革新的システム”AT”機能搭載の『ねぇ~ねぇ~島娘』(オリンピア)が登場したのです。
本機種は、ATがボーナス扱いとなるスペックとなっており、純増枚数に換算すると「約2.8枚」と、一般的なARTの純増枚数2.0枚前後を凌駕する性能を実現していました。
ではなぜこのようなシステムを生み出すことができたのか。それは『エージェントクライシス』(エレコ)に搭載されていた「ゼロボ」と呼ばれるボーナスにあります。ゼロと名付けられた通り、ボーナスであるにもかかわらず、「2枚掛け・2枚払い出し」という一切メダルが増えない仕様。そしてこの不毛なボーナスを搭載することにより、保通協の試験をパスすることに成功し、AT機が誕生したのです。
さらに、前回取り上げた『2027』の特徴である「ボーナスを揃えない」「ボーナス後のリプレイ高確率」によって、パチンコ店で”ゼロボ”を揃えることがほぼ不可能になりました。そうしてプレイヤーが違和感なく、AT機を楽しめることに成功したのです。
プレイヤーに不快感を感じさせない『ねぇ~ねぇ~島娘』(オリンピア)のATシステムは、パチスロ市場の活性に大きく貢献した発明といえます。
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「RT機」から「ART機」へ進化を遂げ、数々のシステムが生まれました。さらに、かつての”革命的機能”を応用した「AT機」が誕生するなど、パチスロ低迷を救った機種は数知れません。
これらのシステムは新規則「6号機」となっても活用されることは間違いなく、「5号機」を創った名機達はこれからも語られ続けるでしょう。
(文=編集部)