甘デジ「16R比率40%」のボリューム感! サウンド・演出すべてが「満点」奇跡のマシン!!
高橋留美子が2020年の秋に紫綬褒章を受賞した。時代にそぐわない言い様になるが、名実とも現役女性漫画家の最高峰に位置したことになるかもしれない。
高橋を一言でいえば「天才」で、初期の代表作となる「うる星やつら」は、不定期連載だった初期にはまだ大学生。初めての本格連載でいきなりの大ヒットを飛ばすのである。その後も「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」「境界のRINNE」など手掛けた連載作品はどれも大ヒットを記録し、いずれもテレビアニメ化されている。
上記の作品はそのほとんどがパチンコ化、パチスロ化されているのでファンにも馴染み深いタイトルであろう。これは「るーみっくわーるど」と呼ばれる彼女の作品において、その絵柄やストーリーがどの世代、どの趣向にも受け入れられるという普遍性を持っているからこそ成立するのであろう。その意味でもやはり天才である。
先ほども述べたように、パチンコになった高橋留美子作品は多数あるが、ここではパチンコ・パチスロ両面で高い評価を得ている『めぞん一刻』を取り上げたい。なかでも、パチンコシリーズの最新作『CRめぞん一刻~約束~』の甘デジバージョンは登場から2年経った今でも多くのホールに導入されている人気機種となっている。
大当り確率が1/99.9の次回ループタイプの確変システムを搭載しているが、確変割合が51%と連チャン面では突出どころか物足りなさを感じる数値である。その分、電チュー大当りの40%が16Rラウンドと、甘デジタイプにしてはボリュームのある出玉を獲得できるようになっている。
さらに、電サポ時の通常大当り後は30回転の時短が付与され、この引き戻し率が約26%と連チャンのチャンスも充分に備わっているので、バランスの取れた遊びやすい機種といえるのである。
ただ、このスペックだけで長年にわたる稼働を支えてきたわけではない。本機にはヘソ入賞時の確変に電サポが16回しか作動しない限定的な確変モードが存在し、16回転以降は潜伏確変になることもある。
このように、昨今ではプレイヤーに忌避される潜確を搭載しているので、完全なスペックの優位性だけで息の長い機種になったのではないということがわかるだろう。では、その人気を支える他の要因はいったい何なのか?
その一つが「歌」である。本機には、昭和・平成を代表する数々の名曲が聴けるようになっている。
「なごり雪」「オリビアを聴きながら」「冬が来る前に」「恋におちて -Fall in love-」「心の旅」「夢をあきらめないで」「PIECE OF MY WISH」「ひだまりの詩」など有名楽曲が18曲も用意され、歌パチのような要素も備わっているのである。
もちろん、コンテンツ自体のストーリー性は秀逸で、その物語を彩るさまざまな演出がプレイヤーを盛り上げるのだが、そこにさらに名曲がかぶさることによって、ひとつひとつのリーチや演出がよりドラマチックに迫ってくるのである。
この『CRめぞん一刻~約束~99ver.』がロングヒットとなっていることも肯けるのではないだろうか。
(文=大森町男)
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