パチンコ店舗数が「8000店」を割る!? 最新データが「業界の困難な現状」を映し出す
パチンコ・パチスロの業界ニュースを伝える「遊技日本」によれば、全日本遊技事業協同組合、通称・全日遊連に加盟するパチンコの営業店舗数は2021年4月末時点で7979店舗と8000を割り込んでいたという。
去年の1回目に行われた緊急事態宣言時に、休業要請などの要因から店舗数が一時的に8000店を割り込んでいた。今回も3回目となる緊急事態宣言の影響は、もちろんあるのだろうが…。
2020年5月の約8500店舗から徐々に、その数を減らして到達した状況となる。コロナ禍による「経済の縮小や人手の減少」が数値となって現れた格好だ。
注目なのは先月の廃業数で、127店舗と通常50~60店舗程で推移していたものが飛び抜けて多くなっている。3月期末の決算で、店をたたむ判断をしたホールが多かったのだろうか。業界の厳しい状況を物語っているようだ。
ちなみに、業界の管轄省庁である警察庁の統計によると、2020年12月末時点での全国のパチンコホールの数は9035店舗だと発表されている。前年比で604店舗の減少で、特に遊技機の設置数が101~500台以下の小・中規模店舗の減少が目立っているという。
店の個性を発揮しにくい時代、スケールメリットを持てない個人経営的なパチンコ店は厳しい営業を強いられるような流れもあるが、全体的な傾向もシビアなもので、経済産業省が発表した特定サービス産業動態統計調査の3月度速報値によればパチンコ1店舗あたりの売上は2400万少ない1億8300万。同年同月比の割合は高くなったが、依然として減少傾向の改善は見られない。
このように現場の最前線であるホール店舗のシビアな現実がある一方、メーカーの状況はどうかといえば、こちらも一筋縄ではいかないようだ。
SANKYO、平和、フィールズなどのメーカーが21年3月期の決算を発表したが、軒並み赤字に転落している。SANKYOの経常利益は44.4%減、純利益は55.9%減と減益。平和は70%以上の大幅な減益、フィールズも赤字に転落するなど、困難な状況を浮き彫りにした結果に。
ただ、フィールズが今期の業績予想を非開示としたもののSANKYOや平和は今期22年3月期に増益となる見通し。SANKYOはパチスロの新規タイトルを4つに増やし3万台の発売を計画。
平和もパチンコ8タイトル、パチスロ5タイトルで人気コンテンツ「ガールズ&パンツァー劇場版」を筆頭に売上を伸ばす構えだ。
スケジュールが遅れぎみとはいえ、ワクチンの接種が進み、国として集団免疫を獲得できれば状況も変わるはず。魅力的な新台が続々と登場するパチンコの勢いに乗じて業界が活性化することを期待したい。
(文=木戸範孝)
<著者プロフィール>
Webメディアに掲載されるスポーツ関連記事の作成および編集業務を経験。その後はGJにて競馬やパチンコ・パチスロ、スポーツなど幅広い分野を担当している。現在はパチンコ・パチスロ分野に力を入れており、自身が好む爆裂タイプの動向に注目している。業界ニュースも担当。業界関係者への取材を元に、新台関連の記事も多く作成している。
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