「パチスロ新時代の幕開け」~4号機名機伝説・序章~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.66】
時は1992年のゴールデンウィークが明けた頃だったか。
前年から市場に蔓延していた不正改造パチスロ機、いわゆる裏モノを一掃すべく基板改修・再封印作業が進む中、1台のセンセーショナルなマシンが発表された。
登場が待ち望まれていた新基準パチスロ4号機。その第1弾となる『チェリーバー』である。
実は本作、この時点ではまだ型式試験申請済み、つまり保通協で試験中の段階で、発表は完全にフライングだった。聞いた話だが、「適合していない段階で発表するとは、何事か!!」と、行政から大目玉を食らったそうだ。
まぁいずれにしろ、パチスロの未来を担う4号機が実体として姿を現したことは、よろしくない話題ばかりが続いていた中、一条の光となったことは確かである。
さて、『チェリーバー』については次回以降でゆっくり綴るとして、4号機編の初回となる今回は、あらためて「4号機とはなんぞや?」「3号機までと何が違う?」といったことに触れておきたい。
4号機で新たに許可された機能は以下のとおり。
①ビッグボーナスに期待値方式を採用
3号機までのビッグボーナスは、最終的な獲得枚数があらかじめ規定で許可されている枚数に落ち着くよう小役ゲームの回数やどこでJACゲームへのシフトするかといったゲームの進行が、すべてプログラムで管理されていた。
これを4号機では刷新、最大30ゲームの間でJACインも含めたすべての役を通常時と同様の完全確率方式で進行させる「期待値方式」を採用することとなった。
それまで単なる消化ゲームに過ぎなかったビッグボーナスに、「何枚取れるか、ハラハラドキドキ…」といった不確定な要素を加えることでゲーム性の幅は確実に拡がったと言えるだろう。
②JACの最大当選回数が6回から8回に
0号機の時代から、「1回のボーナスゲームにおけるJACの最大当選回数は6回」というのが、ひとつの不文律だった。
4号機ではこれを見直し、最大8回に増加。ビッグ中のJACゲームはもちろんのこと、通常のREGボーナスの獲得枚数も増えることとなった。
③再ゲーム(リプレイ)の採用
そもそも、2号機から採用された「1ゲームにつき4秒以上を要する」という規定をクリアするためのウェイト機能とは、時間あたりの投資金額を限りなくパチンコと同等のものにするための措置だった。
「パチンコは1分間に発射できる玉数が決まっているのに、パチスロは早く打てばいくらでも早くゲームを消化できる。つまり、いくらでも客にカネを遣わせることができる。これは不平等じゃないか」
そんなクレームがパチンコ業界からあったらしい。
4号機では、その辺りの不公平感をさらに是正するため、「おおむね7.3ゲームに1回の頻度で、メダルを投入せずに次の遊技を開始できる再遊技機能の搭載を義務づける」ということになったのである。
④フラグ告知機能
1号機までは、内部でボーナスフラグが成立すると集中端子板から信号を発出し、呼び出しランプやパトランプなどを作動させてプレイヤーに告知することができた。
2号機以降は、その「告知する」ことがどういうわけか「射幸心を煽ってはならない」と解釈され、禁止となった。
ところが4号機では一転、「外部へのフラグ成立信号の出力はNGだが、台そのものに告知する機能を搭載することは可」と、大きく緩和されたのである。
仕様や出玉性能、ゲーム性にかかわる新機能は以上の4点だが、さらにもう一点、緩和された項目がある。それは、「台数制限の撤廃」だ。
ここでいう台数とはホールでのパチスロ機の設置割合ではなく、メーカーが発売できる機種数のことである。
3号機までは、その号機(規則)において「1メーカーにつき2機種まで」と、発売できる数が制限されていた。
1機種にしろ2機種にしろ、それで成功すれば万々歳。しかし、コケてしまったらもう替えがきかない。
結果、在庫を抱えて困った販社が売れるように「味付け」をして再販し、市場には裏モノが蔓延したのである。
そもそも、なぜ台数制限があったのか理由はわからないが、ともかく4号機ではそれを撤廃。
メーカーはいくらでも新機種を開発・リリースすることができるようになり、ホールの機種選択の自由度も拡がった。
4号機になってパチスロ市場が急速に拡大した最大の要因は、先に挙げた新機能よりもむしろ、この台数制限の撤廃にあったのかも知れない。
(文=アニマルかつみ)
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