パチンコ店を○○にした超マニア台!? 隣のお客さんを退席させた珍エピソードも…

『PAスーパー海物語 IN JAPAN2 with 太鼓の達人』(SANYO)の大当りラウンド中では、「太鼓チャンス」発生でアーケードゲームなどで有名な『太鼓の達人』をモチーフにしたリズムゲームを遊ぶことができ、この演出に成功するとラウンド昇格や確変継続といった嬉しい特典が付いてくる。

　だが、実際にプレイしなくても結果は当然ながら成功とみなされ、逆転演出で突然レインボーボタンが発生……といったレアパターンもあったりする。いわばヤラセ演出のようなものだが、かつての4号機・5号機時代には「本当に遊ぶことができる」パチスロ機が存在していた。

■元祖太鼓の達人コラボ機種！ パチスロの名曲も遊べる！

　それが、2005年リリースのパチスロ『祭の達人～ウィンちゃんの夏祭り～』 （山佐）だ。

『タイムクロス』シリーズでおなじみのウィンちゃんが主人公の本機は、A-400のストックタイプというオーソドックスな4号機。天井非搭載でボーナスが重かったというイメージを持っている方も多いかもしれないが、この機種とほぼ同時期に大ヒット機種『押忍！番長』 （大都技研）が発売され、その陰に隠れてしまった残念なマシンでもある。

　そんな本機だが、ビッグボーナスのJACゲーム中に「太鼓の達人」を楽しむことが可能。青７と赤７の揃えた図柄によって選択できる曲が変化し、その搭載数は全8曲となっている。

　搭載楽曲は「山佐サウンド」と、太鼓の達人を手がける「ナムコ」サウンドの2ジャンルで、前者は『タイムクロス』や『ナイツ』といった名機のBGM、一方で後者は『マッピー』や『ドルアーガの塔』など名作ゲームの楽曲を選択できる。

　消化中は、MAXBETボタンで赤い譜面「ドン」を、レバーONで青い譜面「カッ」を叩いていき、成功するたびにポイントが加算されていく仕組み。そして選択曲をクリアすればするほど、より難易度の高い曲を選択することができるのだ。

　もちろん、これらの操作を無視してもペナルティ等は存在しない。そのため、がっつりゲームをプレイしていた人はほとんどいなかった印象である。

■音ゲーのパイオニアの本気！ ホールがゲームセンターに!?

　KONAMIの代表作であり、リズムゲーム、いわゆる「音ゲー」のパイオニア的存在である「beatmania」も、コナミグループのKPE（現コナミアミューズメント）からパチスロ5号機として発売されていた。

　2008年リリースの『パチスロ beatmania』は、リアルボーナスとAT&ART機能で出玉を伸ばすタイプ。

　ART「RAVE MODE」はビッグボーナス後に必ず突入し、パンク役を回避することで最大100ゲーム継続する仕様だ。純増は1ゲームあたり約0.4枚とかなり少なめだが、ビッグボーナスの出玉（約273枚）と合わせると平均300枚獲得できる。

　一方で、通常時やレギュラーボーナス後に突入する可能性があるAT「TRANCE MODE」は現状維持程度の純増枚数となっており、継続ゲーム数は30～60Gなのでオマケのようなものである。

　そんな『パチスロ beatmania』にも、先述した『祭の達人～ウィンちゃんの夏祭り～』に負けないぐらいのリズムゲームが搭載されている。

　こちらもビッグボーナス時に遊ぶことができるが、それを遊ぶか否かは任意で選択可能だ。

「遊ぶ」を選択すると、レバーで「スクラッチ」、MAXBETボタンと各停止ボタンが「鍵盤」の役割を果たし、ゲームセンターさながらのbeatmaniaを楽しめる。

　さて、皆さんは気付いただろうか？

　レバーにMAXBET、そして各停止ボタンを使用するということは、パチスロを遊技するために必要な機能がフルで活用されているのだ。

　さらに、このリズムゲーム中に難易度選択で「HARD」を選択すると、本家beatmaniaの高難易度譜面に近い内容で遊ぶことも可能。その内容はbeatmania上級者でないとクリアできないようなレベルとなっており、間違って選択してしまった人達は軽いパニックに陥ること間違いなしだ。もちろん、上手にプレイできなくてもメダルはしっかりフルで払い出された。

　ちなみに、そこそこリズムゲームがプレイできる筆者が「難易度HARD」で遊んでいたら、隣で打っていたお爺さんが白い目でこちらを見て、その後すぐにその機種から退席してしまったという悲しいエピソードがある。「これができないとパチスロとして成立しないのか？」と勘違いさせてしまったのだろう。そのお爺さんには本当に申し訳ないことをしたと思っている。

　現在のパチスロ機にはさまざまな仕掛けや役物が搭載されており、驚きと共に楽しませてもらっているが、今回ご紹介した『祭の達人～ウィンちゃんの夏祭り』や『パチスロ beatmania』のような、本格的な音ゲー搭載機が出てくれれば個人的には嬉しい限りである。まあ、これまでの反響を見るとそこまでの需要があるとは思えないので、6号機で登場することはなさそうだが……（笑）。

(文＝ロマニスタ鈴木）
<著者プロフィール>
　好きなゲームキャラクターがモチーフのパチンコ『CRソニック』でホールデビュー。
その後パチスロも遊技するようになりドハマりする。好きな機種は5号機時代のSNKプレイモアが出していた機種たち。パチンコでは甘デジやライトミドルを好んで打つ。サッカーと猫をこよなく愛し、週末はJリーグの試合を平均6試合くらい見ている。

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