パチンコ店「お金の貸し借り」エピソード…「人の良さそうな客を狙う」タチの悪い常連も!?

　お金にルーズな人はどこにでもいるが、パチンコ店内でお金の貸し借りをする人を見かけたことはないだろうか。今回は、そんなお金の貸し借りにまつわるエピソードだ。

　その常連Aさんは一貫して1パチしか打たない方。ほとんど毎日来店するのだが、打つ金額は1000円や2000円程度。それで当ってボチボチ遊んでいれば問題はないのだが、当らなかった時が問題だった。

顔見知りの客にお金を無心。挙句の果てには…

　Aさんは店内を徘徊すると他の常連さんにお金を無心するのだ。それが元から付き合いのある友人、知人などであればこちらとしても口の出しようがないが、ちょっと店で顔を合わせるくらいの人に声をかけるのだからタチが悪い。

　お金を貸した当事者の常連さんから相談されるまで、こちらも気づいていなかったのだが無心する金額も1000円くらいの少額。まぁいわゆる寸借詐欺のようなものだから断れなかったのだろうし、人の良さそうなお客さんばかり狙うAさんの話術も巧みだったのかもしれない。

　そんなAさんを事務所に呼び出し話をすると、呆気ないくらいあっさりと納得してくれた。それから無心することがなくなったのである。

　しばらくして姿を見かけなくなり少しだけ気にかけていた頃に、他の常連さんから「多額の借金があり失踪したらしい」といった話を聞いた。結局それからAさんの姿を見かけることはなかったが、その後どうなったかなどは知る由もない。

スタッフがお客さんからお金を!?

　これはお客さん同士がお金の貸し借りをしたというケ－スだが、もう一つはスタッフがお客さんからお金を借りてしまったケース。

　あってはいけない話だが、実際に起こってしまったのは私の不徳の致すところだろう。それもお客さんから相談され発覚したのが事件を知るきっかけだった。

　その人物は勤務態度が非常に良好で、お客さんからの受けも良かったのである。それだけに非常にショッキングだったが「人間は分からないものだな」と思わされた出来事でもあった。

　お金を借りた理由は単に生活が苦しかったからとのこと。それであれば私にでも相談してくれれば良かったのだが後の祭りである。額は少額だったが立て替えて直ちに全額返済した。

　当のスタッフは女性であり掛け持ちで夜にも別のアルバイトをしていたのだが、それでも本当に生活費に事欠いていたのだろうか。とりあえず泣きながら謝罪し、立て替えたお金も分割できちんと返済してくれた。

　その女性スタッフは結局、程なくしてホールを退社。その後に繁華街で当ホールのお客さんと歩く姿を何度も目撃されたという。

　アノ時の涙が真実のものだったか…それは今でも分からない。以上が、在籍していたパチンコ店で実際に起きた「お金の貸し借り」に関するエピソードである。

（文＝オーハナB）
<著者プロフィール>
　元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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