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パチスロ「あらゆる面で前作を凌駕した新生ドラゴン」~4号機名機伝説~ 『スーパードラゴン』編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.114】

パチスロ「あらゆる面で前作を凌駕した新生ドラゴン」~4号機名機伝説~ 『スーパードラゴン』編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.114】の画像1

【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.114】

 1980年、尚球社とタッグを組み史上初の箱型スロット『パチスロパルサー』を世に送り出し、1号機の時代には提携関係にあった山佐が開発・製造した『パルサーXX』シリーズを大ヒットさせた関西の老舗メーカー、日活興業(現・ネット)。

 その4号機第1弾として1994年春にリリースされた『ドラゴンエース』は、オーソドックスな仕様とスペックを持つ、本来は波が穏やかで遊べるマシンだったのだが、ホール導入後しばらくすると爆裂化。

 都内の某ホールでは営業中に所轄の摘発があったり、また一部のバージョンに仕込まれたセット打法が攻略情報誌によって公開されるなど、世間を大いに騒がせることとなる。

 そんな一連の騒動がようやく収まった翌1995年にリリースされたのが、「ドラゴン」の名を冠した新たなマシン、『スーパードラゴン』である。

『スーパードラゴン』

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 仕様は、『ドラゴンエース』シリーズと同様、表面上のBR比率1:1のスタンダードなAタイプ。10枚役絵柄の色鮮やかなマスカットに、同社の2-2号機『ビッグバン』の面影を見たファンも、当時は少なくなかったようだ。

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 スペックは、最低設定1でも287分の1という高確率なビッグをメインに、REGにも全設定にわたって高い数値を誇った、連チャン性重視の確率設計。機械割も設定2ですでに100%を超えるなど、当時の4号機Aタイプの中でもトップクラスの甘さを誇っていた。
パチスロ「あらゆる面で前作を凌駕した新生ドラゴン」~4号機名機伝説~ 『スーパードラゴン』編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.114】の画像4「甘すぎて、うちの店では使えない」といった声をあげるホールも少なくなかったようで、それぞれ少しずつスペックが辛めになった同仕様の兄弟機『スーパードラゴンα』と『ガルウィング』が、追ってリリースされている。

 ゲームを彩る出目演出については、『ドラゴンエース』を継承する「スベリ付きボーナス絵柄テンパイ」に加え、多彩なリーチ目パターンを新たに搭載。

 その多くは「上段にボーナス絵柄が並んで、同時にテンパイした小役が揃わない」という法則性にまとめることができたのだが、とにかく出目のバラエティは『ドラゴンエース』とは比較にならないほど多種多彩だったのである。パチスロ「あらゆる面で前作を凌駕した新生ドラゴン」~4号機名機伝説~ 『スーパードラゴン』編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.114】の画像5

 その名のとおり、あらゆる面で前作からのバージョンアップが図られていた『スーパードラゴン』。ところが、パチスロ必勝ガイドの初ホール実戦で見せた想定外の挙動が、ちょっとした物議を醸した。

 ノーマルとは思えぬ速攻連打が随所で頻発。50ゲーム以内のボーナス発生率が44.3%を超えるなど、「導入直後の高設定」では済ますことのできない結果となったのである。

 データの精度を高めるべく、再度実戦を試みたところ、50ゲーム内のボーナス発生率こそ初回よりもダウンしたが、それでも37.9%という充分に高い数値をマーク。さらに3度目の実戦では、ボーナス出現率の分布に「250ゲームを境に急激に落ち込む」「600ゲーム付近でわずかだか上がる」といった偏りがあることを見出すに至った。

 要するに…だ。ノーマルのままでも充分に面白いはずなのに、前作と同様に「どこかの悪い人たち」の手にかかり、爆裂化させられてしまったのである。

 ちなみに、いまも続く同誌の7日間リレー実戦企画「91時間バトル」でも、1995年10月号にて、この爆裂バージョンと対戦しているだが、結果は惨憺たるものであった。

 初日を担当した自分がいきなり逆噴射12万2000円を喰らったのを皮切りに、連日にわたって過酷な闘いを繰り広げ、終わってみれば…な、なんと、24万4000円のマイナス。同企画始まって以来となる大惨敗である。

 そんな過酷な1週間の舞台となった上野の某店は、8月いっぱいで惜しまれつつその長い歴史に幕を下ろした。いい店だったんだけどなぁ、件の91バト以外は…。パチスロ「あらゆる面で前作を凌駕した新生ドラゴン」~4号機名機伝説~ 『スーパードラゴン』編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.114】の画像6

アニマルかつみ

アニマルかつみ

兵庫県尼崎市出身。1992年春にパチスロ必勝ガイドのライターとなり、以来30年にわたってメディア人の立場から業界の変遷を見つめてきた大ベテラン。ぱちんこ・パチスロの歴史に関しては誰にも負けない博識を持つ。最近ではYouTube動画チャンネル「ぱち馬鹿」のメンバーとして、各種企画の制作や出演、生配信などにも精を出している。ライター稼業のかたわら、ロックバンドのベースプレイヤーとしても活動中。愛猫家。昭和レトロ好き。

Twitter:@anikatsu213

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