3,000円で大当たり!? 新カテゴリー『ちょいパチ』の秘める可能性と「依存症」への対応は?
パチンコ業界で話題となっている新しいカテゴリー『ちょいパチ』。
「ちょいと遊べるパチンコ」の略語で、最大の特徴は大当たり確率が1/40程度となる為に、およそ3,000円程度で初当たりへ辿り着く可能性が高い……「短時間でも大当りの楽しさを体感できる」という点が売りだ。
現在のパチンコ業界は1玉1円で遊戯できる『1パチ』、大当たり確率が1/100前後の『遊パチ』といった気軽に遊べる台が主流。『ちょいパチ』は『遊パチ』の”進化バージョン”と考えて頂ければ分かり易いだろう。
「ギャンブル性が高すぎる」と警告をしてくる行政に目を付けられない為の”策”として生み出されたとも言われているが……『ちょいパチ』が秘めている可能性とは何なのだろうか?
大当り確率の高さに比例して負ける確率が高くなる以上、1/40程度となる『ちょいパチ』は「非常に遊びやすい」と言える。
ただ、大当たり出玉や連チャン率などは当然の如く低くなってしまう為、儲けという面を求める事は難しいかもしれない。『遊パチ』ユーザーの心理として「投資額は抑えたいが、あわよくば大勝したい」という考えもあると思うが、『ちょいパチ』に”それ”を求めるのは酷だと考えるのが妥当だ。
また運営側にとっても『ちょいパチ』導入にデメリットがあるではないか。確率的には初当たりを引くまでに数万円の投資金が必要になる事が普通な『ハイスペック機』(確率300分の1~約400分の1)に頼った営業が理想の筈だが……。
「今の時代1パチや遊パチに頼った営業をしなければならない……選択肢がないというのが本音です。1パチなどに頼らない営業ができる法人(店舗)さんは一握りでしょう。結局、今のお客様は”お金を使わずに遊びたい”と思っている方が多いという事です」(某パチンコ店店長)
『1パチ』や『遊パチ』とは異なり、『ハイスペック機』に関しては、人気機種のみに客が付いている印象が強い状況……”お金を使わずに遊びたい”というユーザーの需要に応える事で精一杯。そのように考えている店が多いのが現実のようだ。
その点を考えれば『ちょいパチ』導入にメリットはある。なぜならば、低玉の括りの中で対応するより4円パチンコの稼働を上げる事がベターだからだ。
また社会問題となっている『パチンコ依存症』の減少に繋がるかもしれない。なぜならば、大金を使って一攫千金を狙うという”ギャンブル的要素”が弱まる事が間違いないからだ。
「いつでも・どこでも」できるというパチンコ依存症に陥りやすい要素は含まれている為に、抜本的な改善には繋がらないかもしれない。しかし「ギャンブルとは一線を画す遊技」という、パチンコ本来の姿を理解してもらう”きっかけ”になっても不思議ではないだろう。
戦後、庶民の娯楽や息抜きとして広く社会に浸透したパチンコ業界。かつては30兆円市場を誇ったものの、ピークと言われる95年を境に右肩下がりの傾向が続いているが……『ちょいパチ』が離れたファンを取り戻す”起爆剤”になり得るか注目していきたい。
(文=高杉晋太郎)
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