パチンコ「夢と娯楽」を搭載……「至高」の存在として君臨!【羽根物・名機列伝】
その船に乗る大黒天の座椅子に穴が空いており、羽根から拾われた玉が船に乗ってこの穴に吸い込まれれば大チャンス。すぐ下に落下して波ステージがVゾーン方向へ運んでいくのである。
これが王道ルートであり、大当りに絡む割合の高い道筋となるが、本機のVゾーンは役物の中心から少しずれた場所に搭載されており、ステージの下で控えている鯛の役物のアシストを借りなければV入賞しないのである。
ところがこの鯛役物、左右への回転運動を繰り返しながら可動しているので、おおむね中心に玉を運ぶポケット(鯛の口の部分)がくるタイミングでないと、口から玉がこぼれハズレとなってしまう。この鯛役物の存在が船の穴をたどる王道ルートにはまったとしても、必ずしも大当りに結びつくわけではない状況を生み出すのである。
この王道ルートの絶妙な加減と、波ステージによって引き起こされた無数のイレギュラーパターンが尽きない面白さと至高のゲーム性を担保する。「玉の動きが面白い」を具現化した羽根物なのである。
ニューギンの羽根物は役物確率が甘めの印象もあり、非常に遊びやすかったのもプラス材料で、かなり勝率の高い台でもあった。負けるにしても、さんざん遊ばせてくれた末にラウンドのヒキ負けで出玉を削られる、大当りのムラで出玉を上乗せできなかった分が影響して撤退するなど、「鳴かない、拾わないの門前払い」「どうしようもない状況にもかかわらず特攻して爆死」みたいなことは少なかったように思う。
死ぬまでにもう一度打ちたい機種である。
(文=大森町男)