ぼくらはあの頃、アツかった(11)気分はまるでシェイクシェイクブギ。気になるあの妖怪に語りかけた日の事。
筆者はパチスロが好きだ。愛していると言っても過言ではない。そしてパチスロを愛する人のこともまた大好きである。生まれも育ちも、あるいは性別や国籍、肌の色すら違っても、スロッターであるという共通項さえあれば、そこを突破口にしてすぐに打ち解けることができるし、なんなら最初から好感度マックスで──十年来の友人のように接する事ができる。人類みな兄弟。いわんや、スロッターはみな、大切なブラザーなのだ。
だがしかし、ブラザーになるためには一つだけクリアしていて然るべき関門が存在する。それは「ドル箱シェイクをしない人であること」だ。
ドル箱シェイク。
ご存知ない方のために説明すると、これは「下皿を移す際に、シャッカシャッカとドル箱を振るう行為」の事である。
大変うるさい。そしてメダル同士が擦れて何か有害な粉みたいなのが出る。自分自身がモリモリ出している時ならば笑って許せるが、馬鹿みたいにハマって下痢しそうな気分の時にドル箱シェイク音が聞こえてくると、思わずチャランボしたくなる。スロッターであれば、例えばワキガだったりパンチパーマだったり、ホールでペヤング食ったりしてても構わないのだけれど、ドル箱シェイカーだけはどうしても仲良くなれない。
──以前マイホにしていた某区のお店には、ヌシのようなドル箱シェイカーがいた。