パチンコ「プチ奇跡」の体験談が導き出した「〇〇理論」……【ドラム愛を語る・第1回】
町男19歳の夏。当時は浪人中で予備校に通っていたんですが、同じ高校の友だちと大繁華街の最寄り駅から予備校まで15分くらいの道のりを歩いていた最中、尿意を催した友だちがその時近くにあったパチンコ屋でトイレを借りるということで、町男も一緒に付いていきました。
友だちのトイレを待っている間、見たことのないドラムのパチンコ台を目撃したので、興味津々に知らないおっさんが打っていたその機種の様子を眺めていたところ、友だちが戻ってきて「何見てるの?」と声をかけられたので、くだんの機種を指差し、「なんか新台が入ってたから」と町男は答えました。
私とは違い、多少は嗜むもののそれほど熱心なパチンコファンでないその友だちが珍しく「じゃあちょっと打ってみよか」と誘ってきたのですが、その時手持ちのお金があまりなく、「今日ちょっと金ない」と断りを入れると「じゃあ、二人で金出し合って打ってみる?」と提案してきたのです。
それも面白いなと思い、私の今出せる上限に合わせて500円ずつ、1000円勝負でそのドラムマシンを打ち始めたところ、なんと大当りを引き当てたのです。二人とも本心では当るはずないと思っていたのに、まさかのフィーバー。
純然たるノーマル機だったのでその1回で即ヤメし、出資金を5倍に増やしたのです。こんなこともあるんだなと二人は上機嫌で予備校に向かいましたが、気持ちが浮ついているので身が入らず、その資金でちょっと豪華な昼飯を食べにいきました。
この時打った機種は『フィーバーネプチューン』。私の大好きなドラムマシンのひとつですが、このようなプチ奇跡の体験談が冒頭のおかしなドラム理論を導き出した側面もあるかもしれません。
(文=大森町男)