パチンコ店など「完全分煙化」を機に思うこと……【濱マモルの のほほんコラムVol.39~禁煙への道~】
少々面倒な性格であることを自覚している。それ故、個人的には4月1日からの改正健康増進法施行による飲食店やホールなどの完全分煙化は喜ばしきことなのである。
何故だか初対面の方からは意外に思われることの方が多いが、アタシは基本的に非喫煙者だ。ただ、元々は喫煙者であり、初喫煙からのキャリアは20年以上。
第一子となる息子が産まれた際も禁煙を宣言することはないほどゴリゴリの愛煙家だったものの、同僚のライター・八百屋コカツおじさんやヘルメットとおるちゃんらと鳥取は米子で仕事の後、飛行機までの時間に訪れた境港の水木しげるロードで海風に当たり過ぎたせいか風邪を引き、恐ろしく喉を傷めて以来、すっかりと疎遠になった。もしや、妖怪のしわざなのであろうか。
紫煙をくゆらせていた経験があるだけに、その美味しさは良く分かる。食後の一服、大当りを射止めた際のひと吸いは至福の時。それはとても理解できるのだが、自分のことを棚に上げておきながら、アタシはなかなか道徳にうるさい。
中華料理屋のカウンター席で火が付いたそれを灰皿に放置されて雑誌などを読まれた時、何度も咥えたままの遊技で煙をまき散らされた時などは、ついつい異議を述べてしまうためにトラブルに発展すること多数。
「ここは吸えるルールなんだから問題ないだろう」と反論されるのは自明であるものの、「ルールではありません。私はモラルの話をしているのです」というような内容を強めの口調で放ってしまうのだから、ほとほと自分が嫌になる。そもそも価値観は人それぞれ。納得し合えることなんて、稀なのだから。
というわけで、喜んでいるのである。シガレットだけに火種が生まれることは少なくなるだろうと予想している次第なのだが、一方、このタイミングで喫煙者の方々から「どうやって禁煙したの?」と質問されるケースが増えた。
当コラムを読んでいただいているステキな方々の中にも気になる喫煙者はいらっしゃるだろうから、ここでお伝えしようと思う。まぁ聞いてください。
境港の一件から、かれこれ9年ほど。以来、アタシは唯一のコレクションであったZIPPOをポケットに入れることはなくなり、お陰でオイル漏れによる灯油皮膚炎の悩みも解消された。
反面、やはり食後、とりわけラーメンや焼肉などの濃い味が舌に残る時や、ようやく引いたボーナス当選時、或いはクソハマった際などは口寂しくなったものだが、ここでポイントとなるのが冒頭の「基本的に」非喫煙者だという点。
「ヤメた」といいながらその会見中に吸い始め、あまつさえ禁酒のハズがビールは「自分にとってオレンジジュース」とグラスを傾けた昭和の銀幕スターではないものの、完全に断ち切ったと宣言したわけではなく、「吸いたくなったら吸いますよ」というスタンスなのだから、何となく持続できているのである。