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パチンコ「無極のV入賞パターン」! 無数の羽根物的「魅力」を備えた確かな名作!!

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 その言葉を初めて耳にしたのは、おフランス帰りのキザな出っ歯の奏でるセリフだったが、未来から来た青いネコ型ロボットが居候する家の子どもと同じクラスの立体的な三段ヘアーが目を引く金持ちの母親から発せられた言葉だったか、滑稽さを含むインパクトある言い回しに一時期虜になって、そのワードを多用しまくっていたことがあった。

 だが、これはよく考えると前者は「ざんす」、後者は「ざます」と微妙に違う。当時は男女の性別によって使い分けられるものかと思っていたが、語源的には江戸の遊里語でどちらも基本的に女性が使用していたという。

 しかも、「ある」「~だ」を意味する“丁寧語”だというから、むしろ、ちょっと小馬鹿にしたような、見下しているようなニュアンスも微量に含まれているようなイメージもあるので、驚きである。

 さて、ざんすといえば「ワニざんす」である。数多の名機を排出してきた羽根物界の名門「ざんす」シリーズの原点であるこのマシン。10年以上ぶりに復活を遂げたシリーズ最新作では、初代を忠実に再現した『CRAワニざんすα』がリリースされた。2015年のことである。

 3匹のワニが生み出す無限の軌道によりいくつもの奇跡の入賞パターンを見せるそのドラマ性は当代随一といっても過言ではない。このイレギュラー大当りの多彩さこそ、本機の真骨頂となるのである。

 それに加え、現代的な羽根物要素であるSPルートを確保することにより、明瞭さと堅実性がプラスされたのである。役物のクセにもよるが奥傾斜だとSPルートにはまりやすいなど、わかりやすい個体差が表出することで立ち回りにも影響を及ぼすのである。

 また、役物入賞時の玉の勢いによっても状況が変化するのである。推進力を持ったパワフルな玉がよりイレギュラーVを落し入れる傾向にあるようなイメージであるが、適度に遅いほうがSPルートである中央の穴にはまりやすいような感じもある。

 ところで、現代的機能として本機に欠かせないのが保留機能である。1チャッカー、2チャッカーでそれぞれ1つずつ入賞を記憶してくれるのであるが、これがまた本機ならではのゲーム性を引き起こすのである。

 それが1G連チャンである。大当り後も保留機能が作動するので、開放に合わせて打ち出すことでプレイヤーが意図を持って大当りを狙うことができる絶好の機会となるのである。とはいえ、羽根開放のタイミングは一定ではないのでシビアなチャレンジにはなる。

 ただ、可能性を見出したら、試行錯誤を重ね、自分なりの最善なメソッドを構築していく一連の作業が羽根物の面白さの一部であったりもする。ストロークを感覚としてミリ単位で調整してベストポイントを探し当てた時やラウンド間の止め打ちで羽根が開放した瞬間にドンピシャで入賞するタイミングを見つけた時の気持ちよさは格別なのである。

 リールやパトランプの存在意義は正直微妙であるが、この『CRAワニざんすα』は伝統的な役物機構と現代的な機能が高い次元で調和した近代羽根物における名機と呼ぶにふさわしい内容なのである。

(文=大森町男)

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