パチンコ「歓喜の攻略法」に翻弄!? ホールで起こった「悲しい」エピソード…

　あれは数年前の夏。ちょうど今と同じお盆休みの繁忙期でした。お墓参りで帰郷された方や、長期休暇で普段パチンコをしない方が来店されるなど、普段はお見掛けしないお客様も多くホールは高稼働を維持しておりました。

　お客様への対応が続き休む暇がないほどに忙しい中、私は一人のお客様に呼び出されたのです。呼び出しボタンが押された台へ向かってみると、そこには眉間にシワを寄せて怒った様子のお客様がいらっしゃいました。

「いかがされましたか」という私の問いかけをしようとした瞬間「この店はボッタクリだ！」といきなり大声で怒鳴ってきたのです。

「いきなり何を言い出すんだ」と驚きました。「当らずにハマってしまったのか」と思ってデータ表示器を見ましたが、ゲーム数は200Gほどで大してハマっていません。一体何を怒っているのか分かりませんでした。

「何かこちらに不手際がございましたでしょうか？」と伺ったのですが「どうして当らないんだ！おかしいだろ！」という訳のわからない罵声が返ってきました。

　正直なところ「200Gくらいじゃ当らなくてもおかしくないですよ」と突っ込みたかったですが、グッと堪えて「パチンコは完全確率で大当りを抽選しておりますので、当るという保証はございません」と説明をしたのです。

　すると「そんなはずないだろ！こっちは手順通り打ってるんだから当らないのはおかしい！」と耳を疑う返事が返ってきたのでした。この発言で理解しました。このお客様は「いかがわしい攻略法」に手を出してしまったのだと…。

　こうなるとお客様にはパチンコの抽選方法についてご理解していただく以外に方法はございません。私は必死になって説明をしたのです。

　しかし、お客様に何を言っても「そんなはずはない」の一点張り。あまりの意思の強さに匙を投げたかったというのが正直な気持ちです。無論、店員として「ボッタクリ」のレッテルを張られて引き下がるわけにはいきません。

　無論、目に見えない抽選という部分を説明するのは簡単ではありませんでした。最初は何を言っても理解してもらえなかったのです。