パチンコ店「怒りの象徴」ハンマー男級の恐怖!? 「前代未聞の大惨事」が店を直撃…

「まさか、自分に何か恨みがあって……」などと身構えた私に、男は「すみません、やっちゃいました」と謝罪し、深々と頭を下げたのです。

　まさに拍子抜けとはこの事でしょう。緊張の糸が突然に切れたので、直ぐに動くことも返事を返す事もままなりませんでした。

　しばらくして、私はホールに散乱しているガラス片を取り除くようにスタッフへお願いし、店長と共に男性を事務所へと連れて行くと、壁面を破壊した経緯と弁償について話し合いを行いました。

　どうやら男性は壁に隣接している駐輪場の「段差」で、乗ってきた原付バイクを押し上げるために降りて、アクセルを全開。しかし、ご存知の通り、原付は後輪駆動なので激しくウィリーし、そのままガラスの壁に原付だけが突っ込んでしまったとのこと。

　仲間と徹夜で麻雀を楽しみ、その足でホールに来店。あれだけのことをしながらも何故か堂々としていたのは、相当な眠気で判断力が失われていたからのようです。

　幸い、この方はバイクの保険に加入されていたので、相当な額の修復費用を自己負担せずに済む事となりました。強面の見た目に反して、真面目で真摯な対応をする方だったのは、不幸中の幸いでした。

　私も麻雀を嗜むので、時間を忘れてついつい徹夜してしまう気持ちはよく分かります。しかし、眠気が伴うと判断力が低下して本件のような「大惨事」にも繋がりかねませんので、何事もほどほどが一番だと痛感したエピソードでした。

　後日、私が店長に駐輪場へ「段差解消スロープ」の設置をお願いしたことは言うまでもありません。

（文＝ミリオン銀次）