パチンコ語り継がれる「ビッグネーム」…ワールドカップの裏で生まれた「初代」の見事な完成度!!
かつて、スポーツといえば野球であり野球といえば読売巨人軍という時代が存在した。
子どもの好きなものを並べた「巨人・大鵬・卵焼き」という流行語さえ誕生した。もちろん、その影響は各分野に波及し、「巨人」や「ジャイアン」をタイトルに含んだマンガが数多く登場したのである。
「侍ジャイアンツ」「ミラクルジャイアンツ童夢くん」「悪たれ巨人(ジャイアンツ)」「少年ジャイアンツ」「リトル巨人くん」、そして「進撃の巨人」。これはクライマックスに向け物語が加速している感もあり、いまもっとも目が離せないマンガのひとつだろう。
最後、間違えた。「巨人の星」である。言わずと知れた不朽の名作にして野球マンガの大金字塔、スポ根マンガの決定版など、賛辞の言葉は枚挙にいとまがない偉大な作品となっている。
この花形コンテンツをパチンコ・パチスロ界が放っておくわけもなく、どちらでも長きにわたってシリーズ化され、ファンからの愛情が一身に注がれ、業界でも定番の版権として多くのパチンカー・スロッターに認知されている機種である。
ただ、その経歴は珍しいもので、そのビッグネームゆえなのか、高尾、京楽、サンセイと複数のメーカーによる横断によって、今日までその魂が受け継がれてきたのである。ちなみに、パチスロもアリストクラート、スパイキー、サンセイと3メーカーにわたって展開された。
まあ、スパイキーはアリストクラートに吸収されたので完全な別メーカーではないが、「巨人の星」というコンテンツの間口の広さを示しているのではないだろうか。
さて、パチンコ版「巨人の星」の初代、『CR巨人の星』は2002年に高尾からリリースされた。この時期に導入されたほとんどの機種と同じようになんの特徴もない、尋常一様のスペックである。
大当り確率が1/317.7で確変突入率50%の次回ループタイプ。出玉がオール15ラウンド2400発。前述のようにスペックはどれも似たりよったりなんで、この時代の機種が抜きん出る要素は演出面が中心となる。そして、『巨人の星』シリーズの演出はこの時点でほとんど完成していたのである。
つまり、後に続くシリーズ機もこの初代の演出を踏襲していることを意味するのだが、最新作となる『巨人の星~栄光の軌跡~』においても基本は変わらず、そのベースを基に現代風の要素や技術を付け加えるアレンジを施しているだけなのである。