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パチンコ業界「天国と地獄」が背中合わせになる可能性!?【2021年の業界展望】

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 2020年はコロナに始まりコロナに終わった1年であった。緊急事態宣言により数ヵ月ほど機能が停止したり、これまでも発生した業界バッシングが起こったりと、決して良いとはいえない時期を過ごすこともあった。

 新型コロナウイルスだけを見れば、第3波と呼ばれるような危険な事態を迎え、予断を許さない緊迫したムードが包む。ところが、あれほど新興感染症に敏感だった日本人が、この状況で特に行動を控えることもなく、連日のように感染者の最多数を更新するなど、悪化の一途をたどるばかりである。

 今現在では政府にその意思がないようだが、年が明けても拡大が止まらないようなら、いよいよ緊急事態宣言も現実のものとなっていくかもしれない。個人的には入試や入社、移動といった社会的な流動が活発になる最悪のタイミングで緊急事態宣言を発動するようなことになるのではないかと懸念する。

 もちろん、緊急事態宣言が発令されればパチンコ業界もタダでは済まない。

 メーカーは新機種の発売や流通の停止を余儀なくされ、日銭によって経営を成立させているホールのダメージは言うに及ばず。またぞろ保障もしないとなれば、業界の縮小に加速がかかることになる。

 加えて、旧基準機の撤去問題が重くのしかかり、真綿で首を絞められるように、じわじわと衰退期に侵入していくといった最悪のシナリオも、それほど現実離れした虚構の物語と捉えられないのではないだろうか。

 このように、これはパチンコ業界に限った話ではないが、取り巻く環境は決して楽観できるようなものではない。ただ、実務的というか、実用的な内向きの状況でいえば、その反対に歓迎すべき状況である。

 パチンコはここ数年ではもちろん、長い歴史の中においてもかなり恵まれた境遇であり、非常に良好な環境となっているのである。

 当初懸念された悲観的な予測はどこへやら、スピードと瞬発力、そして爆発性を持った優秀なマシンが量産され、むしろ高スペック時代へと移り変わっている。それに加え、時短の新解釈が適応される追い風が吹き、遊タイム機に代表される新機軸、新感覚のゲーム性を持ったパチンコ台が続々とホールに登場し、活況を呈しているのである。

 この流れは当然来年も継続され、これまでの蓄積によりさらに改良・進化したさまざまなタイプの機種が生まれることであろう。

『仕置人』や『源さん韋駄天』で与えた大きなインパクトと同等の、もしくはそれ以上の台が当たり前のように登場するし、まだまだ手つかずの印象もある「ネオ時短」を用いた、誰もが驚愕するような機能を組み込んだまったく新しいシステムが発明される期待も高い。

 このように来年は最悪と最高がコインの裏表でくるくる回転しているような状況になり、出た目によって180度風向きが変わるような時代の趨勢となるのではないだろうか。

(文=大森町男)

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