パチンコ「ALL2400発×90％超」「永久連チャン」…過激な爆連マシンを送り出した実力メーカーの軌跡を辿る

文＝大森町男

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　ホラーパチンコという新たなジャンルを切り開き、業界に大きなインパクトを与えた藤商事。最近でも『Pとある魔術の禁書目録』の大ヒットなど、たしかなポジションを確保したパチンコメーカーである。

　その藤商事が最初に頭角を現したのはアレパチではないだろうか。『アレキング』『アレジン』『エキサイト』といった機種がホールとファンの間で出玉と人気を爆裂させ、藤商事の名を轟かせた。

　このように1990年代の藤商事はアレパチのイメージが強いが、それ以外にも多種多様な連チャンマシンを生み出し、その存在感をより強固なものにしようと躍動した。

　その代表的な機種が『クルクルセブン』。3つ穴クルーン式のスタートチャッカーでデジタルを回転させ、デジタルが3つ揃いするとアタッカーが開き、Vゾーンに玉を乗せれば権利発生となる。

　基本は1回権利だが、大当り後にはメインデジタルが7回転するまで確率が10倍アップするチャンスタイム機能が搭載され、大当りがループする連チャン性が組み込まれていた。2017年には甘デジながらクルーンの役物や7セグを用いた後継機『CRクルクルセブン』が登場したのは記憶に新しいだろう。

　同じ権利物で連チャン力を持つ『カリブ6』も忘れてはならない。『クルクルセブン』から数字はひとつ減っているが、爆発力はむしろこちらのほうが高い。3回権利が大連チャンするのである。

　3回権利なので3回目の大当り後は通常モードに戻るのが普通だが、本機はちょっと異なるゲーム性。3回目の権利獲得時にクルーン手前の権利発生穴へ玉を繰り返し入れると、再び1回目の権利獲得状態に戻るようになっていたのである。

　この仕組みによって「永久連チャン」台と話題を集め、コアな人気を獲得する台として知られた存在となった。

　ほかの有名どころといえば、「えびすパニック」と呼ばれた爆裂モードを搭載した『戎（えびす）V』。「7」揃いで大当りした際に1/4の抽選をクリアすると次に「7」揃いが出るまで確変状態に突入する脅威の出玉性能を持つ。

「えびすパニック」中は1/14で大当り。そして終了条件が「7」揃いなので、図柄が全部で15通りということは14/15、約93％で高確率状態が継続する計算になる。1回の大当りで獲得できる出玉は約2400発。『牙狼』と『超韋駄天』が合体したような機種なのである。

　こういったスペックへのこだわりは現在でも失われることなく継続されている。例えば2020年に登場した『P遠山の金さん2 遠山桜と華の密偵』は、さらに2つのバージョンの兄弟機がリリースされると発表された。

　元機も大当り確率が1/256と遊びやすい設計であったが、より確率を高くした1/199.8のライトミドルと1/99.9の甘デジタイプで再登場。前者は昔の現金時短機のような仕組みで電サポ回数によって連チャン率が変化。

　一方の甘デジはヘソでは確変に突入しない時短突破型ST機。初当りに付与される30or50回の時短で引き戻せば、70回のSTに突入するゲーム性となっている。

　時短マシンのライトミドルタイプは販売台数がかなり絞られているという噂だが、好事家の興味を惹きまくるスペックである。

（文=大森町男）

<著者プロフィール>

　羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。