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甘デジ「新たな出玉機能」を搭載して帰ってきた「名作」!!

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 社会現象を巻き起こした「新世紀エヴァンゲリオン」に端を発した”セカイ”系というワードがある。主人公やヒロインを中心とした小さな関係性の問題が世界規模の危機に発展するような内容を指していうが、時として「自分語り」や「主語の誇張」を揶揄するようなニュアンスを持つマイナスイメージを内包する言葉でもある。

 そのセカイ系のアニメは「エヴァ」以降に隆盛を誇り、「涼宮ハルヒの憂鬱」「魔法少女まどか☆マギカ」「輪るピングドラム」「創聖のアクエリオン」「交響詩篇エウレカセブン」など、パチンコ・パチスロでも活躍するコンテンツが並ぶ。

 そんななかでも『エヴァ』とともに長い間シリーズ機としてパチンコ業界に君臨している『CR交響詩篇エウレカセブン』。いまはサミーがコンテンツホルダーとして機械をリリースしているが、二世代前は西陣がその権利を保有していた。

CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~アネモネVer.』もそんな一台で、メインスペックであるミドルタイプは100回転のSTで繰り広げられるRUSH機能を搭載していたが、そのミドルタイプ同様のSTシステムを採用した『甘デジ』とは別口で後続リリースされたのである。

 この追加で登場した『アネモネVer.』はSTから小当りRUSHに性能が変更されたバージョンだが、いまの小当りRUSHとはゲーム性が若干異なっている点が興味深い。

 従来の、というかいま基本となっている小当りRUSHはループ確変をベースに次回大当りまで小当りの連続が継続するものであるが、本機の確変システムはSTが土台となっている。

 つまり、規定回数までしか小当りの連続は継続しないし、それまでに当たらなければ確変状態ごと消滅するのである。ST回数は50回転で確変中の大当り確率が1/51.2。そのループ率は約63%である。

 肝心の小当りRUSH性能は、小当り確率が1/1.02で1回転あたり約8.3発の増加を見込める。しがたってST50回転を最後まで消化すると400発以上の出玉を手にすることができることになる。

 また、右打ち中の大当りは小当りRUSHに連動しているような工夫がされており、「BOOST RUSH Turbo」は小当りがブーストするような演出から4ラウンドor16ラウンドの出玉を獲得できたり、1ラウンド大当りや突確によってSTのゲーム数を上乗せするような演出が展開。

 これらの仕様は、いうなればATやARTといったパチスロ的な出玉の見せ方やゲーム性を取り入れているといえよう。新たなファンの開拓として期待されたマシンとなるのである。

 こうして西陣が小当りRUSHを採用した背景には、当時、ニコニコ超会議の日遊協ブースで行われた「パチンコ・パチスロフェスタ」にて新たなゲーム性として「小当りRUSH」をフィーチャーするなど、業界でこの新機軸のシステムをプッシュしようとする動きがあったからという理由もあろう。

 それはともかく、この『CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~アネモネVer.』は、小当りRUSH黎明期に確かな一歩を築いたマシンなのである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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