パチンコ企業「ゆるキャラグランプリ」を席巻!? 業界を超える「PR活動」がもたらす効果とは……
以前日本で大ブームを巻き起こした「ゆるキャラ」は、いまや国民に定着しつつあるコンテンツである。地域や企業の活性化を目的とし、現在では数多くの団体が宣伝材料として用いるなど、馴染み深い存在となった。
その代表的とも呼べるのが、熊本県のPRキャラクター「くまモン」だろう。マスコットキャラの一年に一度のお祭り「ゆるキャラグランプリ2011」を受賞して以来、知名度は全国に波及。その人気は海外にまで及んでいるほどだ。その結果、日本銀行が発表した資料によれば、くまモンによる経済効果は1244億円(2011年~2013年間)だという。商品の売上げおよび観光客増加が大きな要因とのことだ。
このように多種多様な効果をもたらす「ゆるキャラ」だが、その影響はパチンコ業界にも波及しているようだ。
毎年8月4日に開催されるファン感謝祭イベント「パチスロサミット」では2013年から、パチンコ企業のマスコットキャラクター日本一を決める「Pキャラグランプリ」が開催。着ぐるみ部門、イラスト部門で募集が行われ、全国有数のパチンコ店「ピーアーク」「ガイア」など60にも及ぶパチンコ店が集まり、大盛況となったが……。
2016年、同イベントの中止が発表される。開催を待ち望んでいたホールやユーザーからは悲しみの声が相次いだ。
その後は、主戦を本場「ゆるキャラグランプリ」へ移した。多くのホールが「グランプリ」を目指し参戦……そして遂に、パチンコ企業が「ゆるキャラグランプリ2017」にて快挙を果たした。
なんと、「企業その他部門」においてパチンコ企業2社がランクイン。一時期よりゆるキャラブームが落ち着いた昨今、積極的な活動にパチンコホールの上位入賞という結果は自然な流れかもしれない。
ランクインを果たしたのは、マルハンの人気キャラクター「にゃんまる」だ。初参加にして3位に入賞する健闘を見せた。その感謝の気持ちとして2018年1月31日まで、「応援感謝キャンペーン」が開催中。全国店舗で併設されている飲食店「ごはんどき」のラーメンが、1年間毎日1杯まで無料となる「にゃんまるどんぶり」のプレゼントなど、ファン目白押しのキャンペーンが行われている。
そして見事、2位を受賞したのが関西を中心に展開する「ベラジオ」のイメージキャラクター「えがおん」だ。一般企業を差し押さえた大きな要因は、同社が以前から行っている業界を超えた、社会活動にある。2016年、同社は大阪府を本拠地とするサッカークラブ「FC大阪」とオフィシャルパートナー契約を締結した。その試合に「えがおん」が応援に駆け付け、試合を盛り上げる。また地域のフットサル大会にも参加するなど精力的に活動している。その結果、大阪のご当地キャラとして知名度を挙げたのである。
世間のパチンコへのイメージは、お世辞にも良いとは言えない。古くから指摘されている換金問題、昨今取り沙汰されているギャンブル依存症問題など、パチンコ業界が抱える問題は山積みだ。
ただ、すぐにでも実行できる「ゆるキャラ」といった社会活動、そしてその企業努力は、パチンコへのイメージを少しでも向上させる手段の1つといえるのではないだろうか。
(文=編集部)
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