パチスロ会社「売却たらい回し」の実状。メーカーM&Aの裏にある「見切り」と「業界改造」の足音
ハイライツが手がけるPOSシステムやデータビジョンなど『周辺機器』部門は別として『スロット開発』の部門が今後継続されるのか、この辺も不透明ですね。Jトラストが匙を投げたパチスロ開発が劇的な回復を描くとも思えません。サイ社としても『おいしいところ』だけを残して、部門ごとの切り売りを見越しての買収だったのかもしれません。
昨年10月にはSNKプレイモア社と資産譲渡契約を結び、シスタークエストとスカイラブの著作権と商標権も受け取っていたハイライツですが、それから1年、すべてがおじゃんになるような売却劇が起きてしまいましたね」(ビジネス誌記者)
必要な部分だけ残してあとは「解体」……そんな未来すらも見える今回のハイライツ売却。残念なファンも多いかもしれないが、厳しい業界の実状を鑑みると、今後もこうした事例は増えそうな気配である。
ちなみに先月、フィールズは持分法適用関連会社である七匠の株式を連結子会社を使って取得し傘下に。遊技機開発における機能集約が目的とのことで、まだまだ前向きなM&Aもある状況だ。今後、M&Aが連発されることでパチンコ業界の枠組みそのものの「改造」が進むのではないだろうか。それが今の世の中にフィットする「最適化」であることを祈りたい。