パチスロ「ユニークな役構成と破格のスペックが魅力のA‐C機」~4号機名機伝説~高砂電器『セブンティセブン』編 【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.143】
アニマルかつみの回胴青春時代Vol.143
1993年秋、「パチスロ史上最高のビッグ確率」を搭載したBタイプ機『ロイヤルタカシーRT』で4号機市場への参戦を果たした関西の老舗名門メーカー、高砂電器(のちのアビリット→コナミアミューズメント)。
高確率ゆえの高い連チャン性で注目を集めた本作だったが、高確率の帳尻合わせばかりが短所として目立ってしまい、残念ながら不評のまま短命に終わってしまう。
そこで同社は原点回帰を決意。翌1994年夏リリースの『エニィセブンA』を皮切りに、王道のAタイプ機を精力的にリリース。いずれも好評をもって市場に受け容れられ、老舗メーカーとしての存在感を市場に示すのであった。
その一方で、1996年秋にはシングルボーナスの集中役を出玉獲得の要に据えたCタイプ機『セブンスポットSS』をリリース。セールス的には成功したとは言いがたい結果となったが、設定不問の爆発力を秘めた本作は、一部のマニアから高い評価を獲得するに至った。
そんな本作に、なにか手応えみたいなものを感じたのだろうか。高砂電器は再び、集中役搭載機の分野にチャレンジ。そして1997年、画期的な仕様とゲーム性を持つA‐Cタイプ『セブンティセブン』をリリースする。
■セブンティセブン
上パネルにシンボルとして描かれている「3連7」「2連7」「単独7」の3種類の7絵柄にはそれぞれ「3点」「2点」「1点」と見た目どおりの点数がつけられており、それらの組み合わせが並んだ時の合計点数によって、各ボーナス役を表現するのである。
スペックについては、Aタイプをベースに集中役を搭載したA‐C機ということで、ビッグ確率は全設定、控えめとなっているが、一方のREGは当時の一般的なAタイプでも希有な高い数値。そして、出玉獲得のカギを握る集中役も、信じがたいほどの高確率となっていた。
ちなみに、出玉獲得の要となる集中役の1回あたりの理論上の平均獲得枚数は、448枚から465枚。もちろん、これはあくまでもひとつの指標であって、実戦では高い突入確率ゆえに集中役が連続し、そこに高確率REGの連打が絡むことで一撃数千枚クラスの猛爆に発展するなど、潜在性能の高さを見せつけてくれた。
先述のとおり本作は、JACの払い出しが12枚で、なおかつJACゲームの当り回数が最大6回となっているため、ビッグの獲得枚数はテキトー打ちで平均230枚弱と少なめ。しかし、メイン小役が15枚のため、所定の手順を駆使することでプラス40~50枚もの大幅な獲得枚数アップが可能だったのである。
高砂電器はその後、本作の仕様をベースにシングルボーナスを通常小役に変更した純Aタイプ機『トリプルセブンA』や、その同一仕様で1号機時代の名機をモチーフにした『ニューワンダーセブン』、そして3種類の7絵柄をそれぞれの得点に応じて「1」「2」「3」の数字に置き換え明快さを強調したA‐C機『ドリームバー』といった後継機をリリース。
そして同社は、斬新かつユニークな「プラス式ボーナスシステム」とともに、市場での存在感を強めるのであった。