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パチスロ界の「レジェンド」新連載がスタート!!【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.01】

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 ともかく、起死回生の逆転満塁ホームランを天に祈りつつ、トイレで用を足したあと、財布に残っていた最後の1万円札を景品カウンタそばにあった両替機に挿入した。

 ところが、である。負けが込んで頭に血が上っていたのだろう。両替機と思い込んでいたそれは、パチスロのメダル貸し機だったのだ。

 4金種対応の台間サンドが完備されている現在なら、こんな間違いはしなかっただろう。

しかし当時はというと、パチンコもパチスロも台間サンドはあっても高額紙幣はシマ端などにある両替機で千円札に両替しなければならなかった。

さらに言えば、パチスロに関しては台間サンドも無く、いちいちシマ端のメダル貸し機で千円ずつメダルを借りなくてはならない店も珍しくなかったのである。

 とにかく、50枚のメダルを手にして途方に暮れてしまったわけだが、実は前にも一度、同じミスを犯したことがあって、その時はそのまま計数機に流してタバコに替えた。が、前述のとおりこの日は負けが込んで頭に血が上っていたので、「もう、なるようになれ」とばかりに、パチスロのシマに足を踏み入れたのである。

 広いホールの片隅にあったそこは、明るいパチンコのシマとは違って照明が落とされて薄暗く、素人には近寄りがたい雰囲気が漂っていたが、適当に空き台を選んで腰を降ろした。

 機種は、山佐の1.5号機『パルサーXX-Σ』。総数千数百もの大量リーチ目で人気を博していたマシンである。雑誌の記事でさらっとだが読んだことがあり、なんとなく知ってはいたのだが、いざ実機を前にすると緊張するものである。

台上のリーチ目表と周りの先輩方の所作をチラ見しつつ、おぼつかない手つきで打ち始めた。

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