パチスロ華麗な容姿と「ズレ目」の誘惑~2号機名機伝説「バニーガール」 前編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.13】
いまから11年前の夏、2009年7月5日のことである。衝撃的なニュースが飛び込んできた。
「大阪市此花区のパチンコ店で放火事件が発生。客と従業員計4名が死亡」
阪神電車千鳥橋駅前にあったS会館。前回のチャレンジマンがあった店とともに、自分が在阪時代の末期に多くの時間を過ごした思い出深い店である。
「Mr.オクレ似の店員さんは大丈夫なのか。ゴリラ顔のオバちゃんは無事だったんだろうか」
凄惨な現場の模様を伝えるテレビの画面を見つめながら、当時そこにいた人たちの顔が、走馬灯のように頭の中に浮かんでは消えた──。
初っぱなから暗い話で申し訳ない。もちろん、今回の主題は事件のことではなく、事件の現場となった店にあったパチスロ機、『バニーガール』についてだ。
本機は、後年『南国育ち』や『島娘』など一連のパトランプ搭載沖スロでヒットを連発することになるオリンピアの2-1号機。
名前のとおり、パネルではキュートでセクシーな兎娘たちが微笑んでいて、否応なしに男心をくすぐってくれる。
こういった、コンセプトに基づきキャラクタ性を与えられたマシンは当時としては珍しく、その洗練された容姿に誰もが目を惹かれ、後続の『スーパーバニーガール』とともに数ある2号機の中でも異例ともいえる大ヒットを記録した。
もちろん、ヒットの要因は容姿だけではない。当然のことながら、プレイヤーを魅了するスペックやゲーム性を搭載していたからだ。