パチスロ受け継がれる「伝統の大量リーチ目」~2号機名機伝説「アストロライナー」&「ビッグパルサー」編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.21】
1980年、史上初の箱型スロットマシン『パチスロパルサー』を世に送り出し、回胴界に一大革命を巻き起こした山佐。
1号機時代に入ると同社は、自社ブランドの『プラネット』と、提携先である日活興業(のちのネット)へのOEM機『パルサーXX』の2シリーズを市場に送り出し、とりわけ西日本では大きなシェアと高い人気を獲得した。
両機種は絵柄やパネルのデザイン、スペックが微妙に異なるだけで、基本的な仕様やゲーム性が同一の兄弟機だったのだが、ゲーム性において中核をなしていたのが「大量リーチ目」である。
当時、ほとんどのマシンはリール制御にシンプルなコントロール方式を採用していた。ざっくり言えばこれは、「成立役に応じて対象となる絵柄が引き込み範囲内にあれば引き込んで揃える」というもので、必然的に出目は単調なものとなりやすい。
一方、山佐のマシンは各リールごとに成立役に応じた停止テーブルがあり、その組み合わせによって停止出目を決めるという「テーブル方式」を採用。さながら複雑なパズルのような総数千数百パターンにもおよぶ多彩なリーチ目を実現していたのである。
そんな、山佐の伝統というかお家芸である大量リーチ目は、当然のことながら後続のマシンにも受け継がれた。
1988年に同社初の2号機として登場した『アストロライナー』は、機種名にちなんだ機関車絵柄が目新しかったが、筺体は0号機時代からの古めかしいものを引き続き使用。基本仕様やスペック、そしてゲームの要となるリーチ目も1号機時代のものをそっくりそのまま流用したものだった。
他メーカーの2号機の多くが、新たに許可された新機能を満載して斬新さを追求したのに対し、山佐は「伝統」の二文字にこだわったわけだが、この戦略は変化を嫌う安定志向のプレイヤーに受け、そこそこのヒットとなった。
そんな、ある意味で保守的な戦略をとった山佐だったが、次の2-2号機では伝統を受け継ぎつつも大変革を成し遂げる。
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