パチスロ「ライターになるきっかけ」をくれたマシン ~2号機名機伝説「スーパーバニーガール」後編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.28】
担当編集だったルーシー石橋という女性の担当編集さんが様子を伺いに来て、実戦中の写真を撮影しようと大きな一眼レフカメラを構えた。
その、数秒後のことである。
「ゴラッ!! 何してんだテメー!!」
店内のPAから物凄いディストーションヴォイスを炸裂させながら、パンチの効いた店員が真っ赤な顔をしてすっ飛んできた。
「や、やばいなぁ…」
いまでこそ、店内でカメラを構えても咎められることはない。が、当時は写真撮影はもとより、データをメモることも御法度だった。当然といえば、当然のことである。
「テメーもグルだろ!!」
素知らぬ顔をして打ってたのに、そのパンチ野郎が怒りの矛先をこちらに向けた。
「…は? アホか、コラ!! 朝からカネ遣って打っとんねん。何も悪いことしてへんわ、アホンダラ!!」
まぁ、売り言葉に買い言葉になりそうだったから、心の中にとどめておいたんだけど。だいぶムカつきましたよ。
とりあえず、色々と言い訳して、なんとかパンチの怒りを鎮めることはできた。が、相手も引っ込みがつかなくなったんだろう。
「流していいから、とりあえず今日はもう帰ってくれ」
かようにして、13HDM史上初の途中退場と相成った。災い転じてとは、まさにこのこと。何よりそれが、当時の編集部員にウケたのである。
人生って、面白いよね。
(文=アニマルかつみ)