パチスロ「裏モノ全盛期」昔ながらの天井機能とは・・・ ハイエナ行為で「勝率大幅アップ」
1990年代は、まさに裏モノ全盛期。メーカー自身が手を染めてしまったマシンから、メーカーがまったく関与していないマシンまで実に多くの裏モノが存在していました。
ではなぜ裏モノが蔓延していったのか。
それは2号機に移行して以降、吸い込み方式が禁止されて“完全確率方式”となったマシンは意図的な連チャンなどが不可能となり、ゲーム性が穏やかになってしまったからではないでしょうか。
また、マシンに手を加えることが容易だった点も裏モノが普及した要因といえます。2000年以前の2,3号機などには、現在の台のような基板を取り外させないための『カシメ』や一度剥がすと貼り直しのできない『封印シール』などはありませんでした。さらに、この時代はお上の締め付けが今ほど厳しくなかったと記憶しております。
そんな2,3号機の裏モノのなかで、特に印象的だったのが天井機能でした。ゲーム性自体は4号機のストック機に酷似している裏モノが大半でしたが、単純に○○G到達でボーナス放出というものではなく、○○G到達で放出確率がアップするという仕様が多かったです。
例えば、有名な裏モノである『アラジンⅡ』の某バージョンだと、通常時の放出確率1/400が2000G消化以降は1/100にアップ。ただでさえ2000Gも回すのは大変ですし、それ以降も何百Gハマるも可能性が十分にあるわけですから、かなりタチの悪い裏モノだといえます。
またこの時代には、詳細なデータランプなどありません。データランプといってもせいぜい、大当り回数が分かる程度で、G数を把握するのは容易ではなかったですね。
それゆえ、「高設定狙い」「設定推測」する行為自体に意味はほとんどなく、さらにいえば設定の概念がほぼない裏モノもありました。
というのも、その裏モノには独自の裏設定があり、自由自在に性能を変えられたからです。なかには、「1日の動きをすべて決められる」という、とんでもない機能を搭載したバージョンも。
したがって、勝つための立ち回りは必然的にハイエナとなり、「とにかく他人が突っ込んだ台だけを狙う」これをするだけで勝率は大幅にアップしました。
こういったハイエナ行為は、現在の6号機においても十分通用しますよね。パチンコの遊タイム機能にも同じことがいえるでしょう。
それで生活したり、おこづかいを稼ぐハイエナプレイヤーはそれなりにいますが、立派な中年の私には、目をギラギラとさせて「人が止めた台を狙い打つ」なんて気力はもうありません。せいぜい天井に比較的近い台があれば打ってみる、その程度です。
(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。
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