パチスロ魅惑のランプが歓喜を呼ぶ…レトロ機『ハイサイ蝶特急』編
魅惑のバタフライ、蝶々のランプと言えばおなじみ南国シリーズ!と言いたいところですが、今はなきタイヨーが2008年にリリースした『ハイサイ蝶特急』というART機が今回の主役です。
少し前にご紹介したビーム『クラッピーパーク』同様に、かなりのマニアック機種ですが非常に惜しいマシンとも言えます。
うっかり下パネルのかわいらしい車掌さんを撮り忘れちゃいましたが、機種名もナイスだと思いますしゲーム性も悪くなかったと思います。
ナビ回数タイプですがARTの連チャンでメダルを増やすタイプで、純増は1G=約1.9枚。ナビ回数の多い振り分けがどれだけ選ばれるかがキモですが「音楽よし、効果音よし」という感じです。
液晶なしにも関わらず中々熱いゲーム性でした。カンカンカンカン♪と踏切の音が鳴れば上乗せ確定するなど、地味に面白い演出も満載していたのです。
同時期に特に強いライバル機がなかったにも関わらず販売は不振に終わりましたが、それは前年の『科学忍者隊ガッチャマン』の件が尾を引いていたのは間違いないでしょう。
タイヨーの5号機第一弾としてリリースされたガッチャマンですが、前評判は上々だった印象。ボーナスとAR、ATが複雑に絡み合う当時としては、非常に完成度の高いマシンでした。
しかし導入後にハード面、ソフト面の両方で実に多くの不具合が発覚。さらに設定2で99.7%、設定6では117.3%というハイスペックな機械割も話題となりましたが、それには完璧な目押し技術が求められました。メーカー発表値に達するには、かなりハードルが高かったのです。
私も当時はフリーでパチスロ機の販売をしており、結構な台数をご購入頂いて嬉しい限りでした。ただ、数日後には嵐のようなクレームの対応に追われた…そんな苦い思い出があります。
その一例をあげると「リールが回らない」「ボーナス成立の察知が困難」などで、携帯電話が鳴るたびに《またか・・・》という思いでしたね。
タイヨー自体が元々強かったメーカーではありませんでしたが、このガッチャマンの件で信頼が薄れてしまったのは紛れもない事実でしょう。このガッチャマンに不具合さえなければ、タイヨーの運命も変わっていたのかも知れません。タイヨー自身も苦渋の極みだったことでしょう。
タイヨーはその後ハイサイ蝶特急の続編も含め、個性的なマシンを多くリリースします。しかし結局は、時代についていけず『コクッチーブラック』を最後にその幕を閉じます。
他機種のオマージュ的なマシンも多かったタイヨー。あらゆる告知タイプ機種の告知を全て詰め込んだ『コクッチー』が最後の機種になったのも、何かの因縁かも知れませんね…。
(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。
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