パチスロ「恵まれない事象で怒りが蓄積」された時は……【濱マモルののほほんコラムVol.137～SNS活用術～】

　とんでもない出来事に遭遇してしまった。

　先日、仕事でパチスロを打っていた時のことだった。汚い話で申し訳ないが、連日の深酒で常にお腹がゆるいアタシは、ふともよおしたのでトイレへ。出すものを出してホッとひと息ついた刹那、隣からふわりと臭いが漏れてきた。

　隣人が特盛なアレを出したわけではない。見上げると、ゆらゆら上へと向かう煙。そう、トイレの個室で喫煙している輩がいたのである。

　初めてパチンコ屋さんに足を踏み入れてから34年。当時は、というか数年前までは店内での喫煙はオールOKであり、トイレでのそれも許されているホールが多かったが、現在は健康増進法の一部改正によってホールは完全分煙であり、基本的にトイレ内は禁煙だ。

　このホールも、トイレの扉にデカデカと「禁煙」の文字。よもや漢字が読めないなんてことはないだろうし、呆れるを通り越して哀れに思えてきたアタシは、ドアをノックして注意しようかと考えたが、トラブルに巻き込まれて仕事が強制終了してしまうのは困るし、近くの店員さんに状況を説明してトイレの外で待機した。

　待機したのは無論、その輩がどんなヤツかを確認するため。自分のことを棚に上げているのは百も承知で言うと、その輩はいかにもな風体のおっさんであり、そのまま後を付けたところ、700Gほどハマっているミドルタイプの超速パチンコに着席した。

　上皿に玉があったので、おそらく小休止したのであろう。ドカッと足を組んだ様からはイライラ加減が滲み出ており、かなり負けていると推察される。

　命の次に大切なお金が無情にも吸い取られているわけだから、そのイライラは分からなくもないし、アタシだって理不尽な展開にキレ散らかしたこともある。とはいえ、マナー違反は厳禁だし、特に四流ながらもパチスロライターという立場上、人の親という模範となるべき立場上、モラルに反する行動は絶対に避けなければならない。

　それでも、待てど暮らせど大当りが引けない時などは怒りが蓄積される。では、その怒りをどうやって発散させているのかと言えば、Twitterである。

　ボーナス間で1,000Gハマリ、ようやく到達した天井ATで単発、遊タイム直前で通常大当りなどなど、あらゆる恵まれない事象で怒りが蓄積された時は、台パンしたい気持ちを堪えてスマホでTwitterをオープン。その怒りを呟きに変換することで、自分自身を落ち着かせているのである。

　これが効果的か否かは人それぞれだろうが、投稿前には簡単ながらも内容や誤字などをチェックするし、それもあって個人的にはクールダウンできている印象。「これで流れが変わるのでは？」という願望も、実は含まれている。

　逆を言えば、順調に出玉が伸びている時などに呟くことは稀。何故なら、上記のように流れを重視するタイプであるから、一旦手を止めて投稿、それによって流れが変わることを恐れているのである。

　早い話が、遊技ツイートが連投された日は十中八九クソ負け中。そんな悲しみのツイートに親近感が沸き、同じく劣勢のイライラを鎮めてもらえたら、それはそれで幸せでもあります。

（文＝濱マモル）
〈著者プロフィール〉
神奈川県横浜市出身。レコード会社勤務の後、フリーライターへ転身。パチンコ・パチスロやギャンブル系を中心に、野球、音楽、街情報など幅広い分野で執筆する。特技は料理と飲酒で、超常現象好き。ドラマーとしての顔も持つ。
■Twitter（@hamamamoru777）:濱マモル