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「パチスロのデパート」閉店に衝撃…思い出やエピソードを語る【アニかつ・濱マモルの回胴酔虎伝Vol.22】

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34年もの長きにわたって親しまれてきた「聖地」の思い出を語る

 2022年元日。パチスロファン、とりわけ首都圏やその周辺に在住する歴の長いプレイヤーにとって、衝撃的なニュースがネットを駆け巡った。

 東京・新宿は東南口前にそびえるパチスロ専門店「グリンピース新宿本店」が、5号機の設置期限である1月31日をもって閉店することを、店長の「どくまむし」氏が自身のツイッターで発表したのである。

 発表のとおり同店は、1月31日をもって34年におよぶ歴史に幕を下ろした。
最終日は名残を惜しむファンが押し寄せ、全盛期を思い起こさせる大変な賑わいを見せたそうだ。

 そんなわけで今回は、同店に対する思い出やエピソードなどを語っていただくとしよう。

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──お二人も、Twitterで閉店を知ったのですか。

アニ「そう。元日、昼すぎに『ぬぼーっ』と起きてTwitter開いたら、『1月31日をもって閉店します』って。あまりの衝撃で、一瞬にして目が覚めたね」

濱「アタシはあとから知ったんですが、元日早々の発表だったんですか」

アニ「そうなんだよ。慌てて店舗のホームページを確認したんだけど、そこには一切、閉店の情報なんて載ってなくて」

濱「…ですよ。P-worldの店舗ページにも、何も書いてませんでした」

アニ「ただ、そのツイートにも記してあったけど、暮れの生配信で、すでに閉店については発表していたらしいんだよね」

濱「まぁでも。ほんと、残念ですよね」

アニ「…だね。自分自身、昔はパチスロ必勝ガイドの91時間バトルやデータ取りとか、プライベートでも度々、足を運んでたから。色々と思い出深い」

濱「アタシも大学生の頃とか、たまに足を伸ばして打ちに行ってました」

アニ「いまみたくネットの情報とか無かった時代に、どうやってグリンピースのことを知ったの?」

濱「それはやっぱり、ガイドを読んでたからですよ。おニイサンも出てた91バトの記事を読んで、『ああ、まだスーバニとかあるんだ』って」

アニ「1993年とか94年頃かな。地下に『コンチネンタルⅢ』、1Fに『スーパーバニーガール』、3Fに『アラジンⅡ』、4Fに『スーパープラネット』と『デートライン銀河Ⅱ』、5Fに『コンチネンタル』だったか。蒼々たるラインナップだった」

濱「正直、あんまり勝った思い出が無いんですよ」

アニ「えーっ。ダメだよ、そんなこと言ったら」

濱「やっぱ、目移りして色々打っちゃうんですよ。1軒の店にパチスロが何機種もあるって、他になかったじゃないですか」

アニ「ああ、そういうことね。わかるわかる、その気持ち」

──オープンしたのって、何年頃でしたっけ?

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アニ「確か、1988年だったかな。当時、まだ関西の地元にいたんだけど、あるパチンコ雑誌の業界ニュース的なページで、『新宿にパチスロのデパート誕生!!』みたいな記事が載ってて。『パチスロのデパート? 何じゃ、そりゃ!?』って。で、読んでみたら文字通り、1軒のビルのフロアごとにいろんな機種が設置されてて…。もう、衝撃だったね」

濱「昔は、1軒の店にパチスロは1機種、あってもせいぜい2機種でしたからね」

アニ「そうそう。だから、記事を読んでるだけでワクワクして。で、やがて東京に出て、ガイドの仕事を始めるようになって、さっき言ったようにバトとかデータ取りで通うようになって…」

濱「アタシ、初めて行った時は、『デパートを謳う割には、意外と小さい店だな』って思いました」

アニ「確かに。1フロアがけっこう狭いからね。こないだ、久しぶりに覗いた時も、『こんな狭かったかな』って」

濱「狭いから、余計に混んでて賑わってるイメージはありましたね」

──アニかつさんは、さきほど仰ってた91時間バトルとかで、なんかエピソードとかありますか。

アニ「1994年の、ちょうどいま頃だったかな。他店よりだいぶ遅れて、当時大人気だった山佐の『ニューパルサー』が導入されて。『ついにグリンピースがニューパルサーを入れた。よし、バトをやろう』ってなったんだけど…」

濱「当時のニューパル人気はハンパなかったですからね。それが、グリンピースに導入されるとなると…」

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アニ「そうなのよ。平常営業に落ち着いてからやればいいものを、〆切りのスケジュールもあって、まさにその導入直後のいちばん混んでる期間にやらなきゃいけなくて」

濱「朝の並び、大変だったんじゃないですか」

アニ「この時に限らず、強いイベントと重なった時なんかは、もう始発電車で向かうのがマスト。でもって、この時は東京が数年ぶりの大雪で…まぁ、自分の日は天気よかったんだけど、それでも寒さに震えながら朝6時から4時間並んだ」

濱「それはキツい。よく凍えなかったですね」

アニ「数日前の実戦人、寒さに耐えるためにウィスキーのポケット瓶をちびちびやりながら待ってたんだって。で、開店して中に入ったら暖房がガンガンに効いてて…」

濱「…なるほど。暖房のせいで一気に酔いが回って、フラフラになってしまったんですね」

アニ「そうそう。ま、幸いにしてぶっ倒れることもなく、なんとか仕事は完遂したんだけどね」

──とにかく過酷だったんですね、当時のグリンピースの朝の並びは。それはそうと、閉店の理由はいったい、何なんでしょうね。

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アニ「具体的なことはまだ聞いてないんだけど、やっぱ5号機撤去に伴う入替が、重くのしかかったんじゃないかな」

濱「…でしょうね。まぁ、グリンピースに限った話じゃないんですけど、ここへきてほんと、あちこちから閉店の訃報を耳にしますね」

アニ「あと、建物自体も相当、古いからね。立地自体は駅前の超一等地だから商売には最高だから、ひょっとしたら建て替えとかもあるのかなぁ…」

濱「いずれにしろ、グリンピースという存在が無くなるわけで、新宿駅東南口駅前の風景も変わってしまいますよね」

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アニ「そうなんだよね。テレビの報道番組のインタビューでも、よく背景に映り込んだりしてたじゃない。それが無くなるとなると…ほんと、寂しい」

濱「新宿駅東南口のランドマークでしたからね。ほんと、『ひとつの時代が終わった』って感じですね…」

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 今回の対談が行われたのは1月12日。その後、アニかつ氏が取材などで店長の「どくまむし」氏に確認したところ、「建物はそのままで、系列グループの別業態になる予定だが、具体的なことはまだ決まっていない」とのことらしい。

 いずれにしろ、34年もの長きにわたって親しまれてきた「聖地」が姿を消してしまうのは、時代の流れとは言え、本当に寂しい限りである。

 6.5号機の話もちらほら聞かれる今日この頃。パチスロ業界が、かつての勢いを取り戻すことを願ってやまない。

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