パチスロ「なんでコイツは連打してるんだ?」と思うのも…【濱マモルののほほんコラムVol.158~普通なこと~】
濱マモルののほほんコラムVol.158~普通なこと~
「ロイヤルホストには夢が詰まってるよね」
先日、ケニア在住の妹夫婦が帰国した。妹の娘、いわゆる姪っ子はアメリカ生まれ。一時期は日本にいたこともあるが、物心ついた時からは南アフリカ・ケニアと転々としており、日本の文化をほとんど知らない。
聞けば、ケニアにもレストランは多数あるが、ファミリーレストラン定番のドリンクバーは無いとのこと。それ故、大好きなコーラを自分で注ぎ、その上、無制限に飲めるドリンクバーは夢そのものであり、帰国早々、「一緒に行こう」と誘われたというわけだ。
ロイヤルホストを選択したのは、姪っ子の記念すべき初のファミリーレストランが同店だったから。別にデニーズでもガストでもココスでもよかったのだが、まぁ姪っ子の中ではファミリーレストラン=ロイヤルホストなのであろう。
聞けば、ケニアには信号機が少ないそうだ。仮にあっても故障中ばかりだそうで、交通ルールが守られている様子にひたすら感動。そもそも、夜に歩いて食事へ出掛けるということ自体も各種リスクを考えると皆無だそうで、ガキの頃から真っ暗になるまで遊びまくって両親にキレられ続けていたアタシとしては、その生活の違いに驚いた次第だ。
思えば以前に帰国した際にも、当時在住だった南アフリカの近隣公園はフェンスで囲われ、入り口には銃を装備した警備員が立っていたそうで、妹は姪っ子を公園で自由に遊ばせられることに喜びを感じていた。自分では普通と思っていることでも、他の人にとっては非日常なのである。
隣の若者が「なんでコイツは連打してるんだ?」と思うのも…
話のレベルはガクッと下がるが、今と昔のパチンコ屋さんも同じだ。かつての店員さんはイカつい方々ばかりで、態度の悪い客は教育的指導を受けることも多々。お客様は神様だなんてスタンスはパチンコ屋さんがエンターテインメント化した最近のことであり、いまだに店員さんにお辞儀をされるとムズかゆく、思わずお辞儀をし返してしまう。
そんな時代のコインサンドは千円札のみ対応で、下手すればカウンター、或いはシマの端にあるコイン両替機でコインを交換しなければならなかった。それが、今では1万円札対応が当たり前。
まぁ2千円札対応はほとんど見かけないが、わざわざ席を立つ必要はなくなったし、お店によってはパーソナルシステムもあるのだから、とても便利である。
パチスロのMAXBETボタンも、アタシがパチスロを本格的に打ち始めた当時は尚球社の3号機『ミラクル』のみで、常備されるようになったのは4号機中期頃。すっかり人差し指と中指を連打して3BETするクセが付いてしまったセイで、いまだについついMAXBETボタンを連打してしまうことがある。
「なんでコイツは連打してるんだ?」
その都度、隣の若者に怪訝な顔をされるのは、彼にとってはMAXBETボタンが普通だから。件のロイヤルホストで食べ盛り且つ肉好きの息子が容赦なく税込4,708円の厚切りワンポンドステーキなる品を頼みやがったのも、彼にとってはメニューの中にあるひとつの品でしかなく、もう少しファミリーレストランがリーズナブルだった時代を知らないからである。まぁひと口もらったら、めちゃくちゃ美味でしたけどね。
(文=濱マモル)
〈著者プロフィール〉
神奈川県横浜市出身。レコード会社勤務の後、フリーライターへ転身。パチンコ・パチスロやギャンブル系を中心に、野球、音楽、街情報など幅広い分野で執筆する。特技は料理と飲酒で、超常現象好き。ドラマーとしての顔も持つ。
■Twitter(@hamamamoru777):濱マモル