パチンコ店の予想を覆す「嬉しい誤算」？ ホール関係者が考える理想とは

　前回は、間もなく登場する「スマートパチスロ（スマスロ）」に対する現場の考えをご紹介させていただいた。次世代遊技機を使った営業展開や、デビュー予定のマシンに対する感想などが主な内容である。「スマスロに関してはチャンスがある」との言葉が印象的であったが…。

「6号機時代に生まれたチャンス」という意味では、6.5号機も同様だと言えるだろう。6号機へ移行してからユーザー離れも目立った印象だが、6.5号機の登場でホールのパチスロコーナーは激変。「ついにパチスロが始まった」といった声も浮上するなど、人気を取り戻しつつある状況だ。

　果たして当事者は、大きな反響を得ている6.5号機をどのように考えていたのだろうか。今回も、ホール関係者U氏のお話を紹介させていただきたい。

予想を覆されましたね。『何でこんな動くの？』と…

――「スマスロにチャンスを感じる」と言われていましたが、6.5号機の登場時も同じような感想でしたか？

ホール関係者U氏（以下：U氏）「いや、最初は動かないと思っていました。6号機が厳しいと言われている状況で『パチスロを買うのはどうなのかな？』という考えが強かったですね」

――それでも導入を決断したわけですよね？

U氏「そうですね。ただ、当時は大量に入れる勇気はなかったです。断然パチンコの方が稼働は見込めましたから。今は積極的に入れていますけど」

――実際に入れてみてどうでした？

U氏「予想を覆されましたね。『何でこんな動くの？』と思いましたよ」

――6号機で揶揄されてきた要素が感じられない点が大きい？

U氏「それはあるでしょうね。ただ、その後パチンコの稼働は下がっていったんですよ。その結果から『パチスロを打っていた人が打っていた（パチンコを）影響が大きかったのかな』と思いました。そういった人がパチスロに戻ってきた結果なのではないかと」

――そんな6.5号機の中で主軸となっているのは？（10月時点）

U氏「私のホールで最も動いているのはカバネリ（『パチスロ甲鉄城のカバネリ』）ですね。あとは鬼武者（『パチスロ新鬼武者2』）も動きは良いです。犬夜叉（『パチスロ 犬夜叉』）も売り上げの貢献はありますけど、稼働だけで言えば断然カバネリですね」

――多くのユーザーが思っている評価と同じような感じですね　

U氏「機種の評価って難しいんですけど、我々はデータが全てだと思っています。それを元に増台・減台を決める感じですね」

ホール関係者が考える理想の展開とは

――好調な6.5号機がある状況でスマスロも間もなく登場。明るい材料は多いですね

U氏「期待はしたいですけど、理想はエヴァ（『新世紀エヴァンゲリオン〜未来への咆哮〜』）みたいに長期稼働を実現する機種が出てくることです。そういった機種は、入れ替えなくてすみますからね。

新台入替は集客が見込める重要なものですけど、できれば大量導入はしたくないという感じでしょうか。息の長い機種が出てきて欲しいというのが本音です。先ほど挙げたカバネリなどが、そうなってくれるといいですね」

――新台も全てがヒットするわけではありませんからね

U氏「あくまでも我々の感覚ですが、100機種あれば成功するのは2機種という感じですね。新台を選ぶ要素は様々ですが、その2機種を見極められるよう慎重に進めるようにしています」

――なるほど。スマスロの選別もシビアになりそうですね。本日はありがとうございました。

（文＝木戸範孝）