パチンコ店が考える「スマートパチスロ」…ホール関係者が語る本音とは？

　11月21日には次世代遊技機「スマートパチスロ（スマスロ）」の導入が開始される。オリンピアの『Lバキ 強くなりたくば喰らえ!!』、SANKYOの『パチスロ革命機ヴァルヴレイヴ』、山佐の『スマスロリノヘブン』が同日にデビュー予定。ファンのボルテージは高まっている。

　そんなスマスロは6.5号機と同様に差枚数上限「2400枚」へ対応。有利区間ゲーム数の上限は「無制限」に変更された。その一方で「MY19000枚」のコンプリート機能の搭載が義務付けられている。

　機械の構造も大きく変化。物理的な遊技メダルを使用せずに「電子情報」で貸出と遊技機が行われる。ホッパーやメダルセレクターなどは非搭載で、筐体には遊技メダル数表示装置が装備。電子化された遊技メダルが蓄積される仕様だ。

　従来機のようなメダル貸出機は不要となるが、専用ユニットの接続が必要となる。つまり、ホール側は新たな設備投資をするということだ。「一台当たり約100万円の設備投資が必要」とも報じられており、そういった面を不安視する声は多いが…。

　果たして当事者の次世代遊技機に対する考えとは。今回は、某ホール企業の関係者に話を伺ってきた。9月時点で描く氏の未来図は、どのようなものなのだろうか。

ホールの倒産が急増…「スマートパチスロ」の影響は？

――ホールの倒産が急増している状況で、スマスロの導入は「起死回生の一手になるか？」と期待されています。しかし、資金余裕の乏しいホールにとっては難しい問題ですよね。

ホール関係者U氏（以下：U氏）「厳しいでしょうね。設備投資の高額さを考えれば導入することは簡単ではありません。入れられないことで閉店を決断するホールも出てくると思います。導入したホールとの来店客数に、大きな違いが出る可能性は高いですからね」

――スマスロがホールの倒産・廃業へ影響を与える？

U氏「ただ、倒産の急増は規則の変化についていけなかったホールが目立ってきた結果なのではないかと。そこに色々な要因が重なって、決断したという感じだと思います。もちろん、スマスロの存在も大きいかもしれないですけどね」

スマートパチスロに対する本音とは

――Uさんのホールはスマスロの導入を決断されました

U氏「業界が『そう動く』と決めた以上、付いていくしかないというのが本音です。6.5号機もそうでしたが、入れざるを得ないという感じですかね。大半のユーザーが重視しているのはスペックですから。6号機で成り立つのであれば入れる必要はないですが、それは不可能に近い。やはり『入れざるを得ない』という表現が近いです」

――ネガティブな考えの方が大きい感じですか？

U氏「いやいや。スマスロに関してはチャンスがあるなと思っています。問題は効果的に入れられるか。基本的にゼロの状態（大半のホールが）になるわけですから、どんなスタートを切れるかが重要だと考えています」

――どのような点を重視していますか？

U氏「コストは高いですけど、それに見合う事業計画が必要になると思います。見立てを間違えたら、厳しい結果になる可能性は大ですね。『スマスロを入れたらどうなるか』『売り上げの見込みは？』など、しっかりした見通しが必要です。そういった考えのもと、慎重に進めてきました」

――現状の展望は？

U氏「自信はあります。6.5号機の時は見立てを間違え苦しくなりましたが、その経験は活かせると思いますし。ユニット・機種の数量に関する問題があるので台数を揃えるのに苦労しましたが、何とか調整できたという感じです」

スマートパチスロ時代で大ヒットしそうな機種は？

――先陣を切るスマスロの中で期待しているマシンは？

U氏「『ヴァルヴレイヴ』ですね。11月デビュー予定の3機種の中では、最も期待している機種です。『パチスロ犬夜叉（クロスアルファ）』のような存在になるのではないかと思っています。

ただ、そんな『ヴァルヴレイヴ』よりヒットすると思うのは12月に登場する『鏡（『L HEY!エリートサラリーマン鏡・パオン・ディーピー）』です。長期稼働を実現するポテンシャルを感じます。どのような結果を出してくれるか楽しみですね」
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　間もなく降臨するスマートパチスロは、パチンコ業界にどのような影響を与えるのだろうか。スタンバイしているスマートパチンコも含め、次世代遊技機の動向に注目していきたい。