パチスロお年玉袋をゲット!「設定6で打てる券」を期待するも…【ドラゴン広石『青春と思い出のパチスロと、しばしばパチンコ』第16話:元旦の思い出】
第16話 元旦の思い出
パチmax読者の皆様、明けましておめでとうございます。旧年中は当コラムをご贔屓いただき誠にありがとうございました。今年もマイペースでぼちぼちやっていきますので、これからもよろしくお願いいたします。
さて、今回は新年1発目のコラムということで、お正月にまつわるパチスロのエピソードを紹介したいと思います。内容的には初出ではないし、当エピソードの登場人物であるアニマルかつみさんや沖ヒカルさんも、過去にトーク番組等でしゃべっている超有名な話なので、あまり新鮮味はないかも知れませんが、最後までじっくりとお付き合いください。
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時は1999年1月1日の未明。パチスロ雑誌界において地獄と形容される「年末進行」を、気合と根性でなんとか乗り切った私は、少し前までの忙しさが嘘のようにダラダラとした年末年始休暇を満喫してました。
夜が明けたら久しぶりにパチスロでも打ちに行こうか…。だけど、年末年始のホールなんて暇を持て余したプレイヤーで溢れているし、ゴミゴミとしたお店で打ちたくないから、打つとしたら低交換率のホールがいいな。な~んてことを考えていたところ、不意にケータイにメール着信があったんです。誰かと思ったらパチスロ必勝ガイド副編集長(当時)の沖ヒカルさんでした。
《明けましておめでとうございます。お暇でしたら今日あたり連れスロしませんか? アニ氏も一緒に行くそうです》
なるほど、年末進行が終わってみんな時間を持て余してるわけだ。
それなら是非ともご一緒させてください、できれば等価は避けて低交換率の店でまったりと打ちたいです…と返信した結果、新年初打ちは渋谷のマルハンパチンコタワーさんで行うことになりました。このお店はすでに閉店してますが、当時は7枚交換で営業しており、ガツガツとしたプロが近寄らない、まったりと遊ぶにはうってつけのホールだったんです。
なんと「設定6打ち替え券」と書かれた紙が…
夜が明けて渋谷に向かうと、すでにアニ氏と沖さんはお店に到着していました。元日につき普段に比べてお客さんは少なく、みんなで仲良く楽しもうね…って感じで某機種に並んで座って打ち始めたんですけどね。
この日、最初にビッグを引いたのは沖ヒカルさん。すると、ビッグ終了時にクレジットが全て払い出されて、いわゆる打ち止め状態になったんです。通常、4号機は全てオートリセットであり、ビッグ終了後に店員さんを呼ぶ必要などないのですが(※注・3号機時代までは手動リセットだったため、毎回店員さんを呼んでリセットしてもらってました)、なんでまたこんな面倒なことを…と思っていたら、店員さんは台の扉を開けてリセットした後に、中から「お年玉袋」を取り出したんです。
へぇ~…マルハンも粋なことをするじゃん! 沖さんがそう言って袋の中を見ると、なんと「設定6打ち替え券」と書かれた紙が出てきました。おいおい、粋などころかすげぇ太っ腹じゃん。
当然、沖さんはすぐに設定6に打ち替えてもらってホクホク顔で打ち始めました。いや、厳密にいうと営業時間内の設定変更は違法ですけど、当時は設定変更サービスが普通にまかり通っていたため、誰もそんなことに突っ込んだりしません。すげぇおおらかな時代だったんですよ。
なるほど、マルハンさんからのお年玉ってわけね。自分たちは知らなかったのだけど、この日はパチスロの全機種全台にお年玉袋が入っており、初ビッグの消化後にそれを頂戴できるとのこと。そして、その後すぐにアニ氏も初ビッグを引き、出てきたお年玉袋の中身はなんと「後日に好きな機種を設定6で打てる券」。
よっしゃあぁぁぁ、だったら次に来たときにマンクラ(※注・ウルトラマン倶楽部3)を設定6にしてもらって、勝ったお金でムフフのフ…。な~んていうアニ氏の嬉しそうなリアクションを側から見ていると、いやが上にも自分の台にも期待しちゃいます。
そして、自分は少しだけハマってようやく初ビッグ。沖さんとアニ氏のお年玉の内容が凄かったこともあって、左右から両氏に見守られつつドキドキしながらお年玉袋を開けたところ、中から出てきたのは…。
「カレー半額券」
えっ、何これ? 思わず爆笑したお二方に挟まれて、そんな馬鹿なと袋の中身を見直したけれど、当然のことながら他には何も入ってません。
嗚呼、なぜ私はこの台に座ってしまったのだろう。右か左にズレていれば…。
「広石さん、年始にツキを使わなかったんだから、これからきっと良いことがありますよ」
そんな感じでアニ氏に慰められたけど、沖さんはニヤニヤしながら私を見ています。まぁ、結果的にこの日は少し勝ったんで特に文句はないんですけどね。
今回のオチ。
マルハンパチンコタワー渋谷店さんは2F~4Fがパチンコフロア、5Fはパチスロフロア、そして6Fはレストランになってました。件の「カレー半額券」ってのはつまり、このレストランのカレーを半額で食べられるってことなのね。
その日のお昼、私はもちろんカレーを注文しましたよ。いや、お節料理っぽい特別メニューもあったんで、本当はそちらを食べたかったんですが、せっかくだから通常価格500円のカレーを、半額券を使って250円で堪能しましたわよ。
「おせちもいいけどカレーもね!」(※注・意味のわからない人はググってみてください)
どんよりしてカレーを食べる私を、なぜだか沖さんは羨ましそうに見てました。
おしまい♥︎
本年もよろしくお願いします。