パチスロ「『CCエンジェル』の仕様を受け継ぐ1996年下半期のユニバーサル系3作」~4号機名機伝説~『ベイビーエンジェル2』『ダンクシュート2』『フローズンナイツ』編【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.138】
幾度となく書いてきたとおり、4号機時代初頭のパチスロ市場は累計販売台数23万という史上空前のメガヒットを記録した『ニューパルサー』を筆頭に、山佐のマシンが圧倒的シェアを誇っていた。
そんな状況を打破したのが、業界最大手メーカー・ユニバーサルが1995年夏にリリースした『クランキーコンドル』。同社初となるテーブル式リール制御を駆使した大量リーチ目はもとより、破壊的な効果を誇るビッグ中のリプレイハズシなど高い技術介入性が若者たちを中心に人気となり、90年代終盤における技術介入機ブームのきっかけとなった。
しかし、大ユニバーサル帝国のシェア奪回作戦が本格化するのは、翌96年のこと。ハードウェアを8年ぶりに完全一新した『CCエンジェル』を筆頭に、物凄い勢いで新作をリリース。市場における山佐の牙城を、またたく間に打ち崩すのであった。
そんなわけで今回は、96年下半期にリリースされた『CCエンジェル』の仕様を受け継ぐ3作を、まとめてご紹介しよう。
■ベイビーエンジェル2
スペックは、前作と比較すると設定3から5のビッグ確率が微妙にアップしている反面、設定2から5のREGがダウンしているものの、連チャン性を重視した確率設計である点は変わりない。
基本となる「ボーナス絵柄の組み合わせ型」は、例によって組み合わせと停止ラインによって信頼度が激変するが、「小山型」は安心確実のオール鉄板。また、「一直線型」については、「ビッグ絵柄のみ」や「BARテンパイ+ビッグ絵柄」の組み合わせはいずれも鉄板となった。
■ダンクシュート2&フローズンナイツ
前2作との決定的な違いは、シングルボーナスが搭載されたこと。ただし、集中役があるわけでなく、単にゲームのアクセントとして存在しているに過ぎなかったのだが、後述するとおり、けして無視できるものではなかった。
スペックは、ビッグ確率が微妙に異なるだけで、ほぼイーブン。前2作よりもビッグ偏向となり、出玉の瞬発力が向上した。
しかし、4号機ではシングルのフラグ持ち越しが禁止されていたうえに、ボーナス役なので小役補正の対象外。つまり、取りこぼせば丸損につき、狙うのと狙わないのとでは大きな差が生じた。実戦上、完全テキトー打ちとの差は、千円あたり約4ゲーム。シングルを完全奪取するだけで2万程度の日当が期待できたのだから、すごい話である。
その後もユニバーサルの新機種リリース攻勢は、緩むどころかますます加速。冒頭で述べたとおり、山佐の独壇場だった4号機市場の勢力図を着々と塗り替えていくのであった。